胃腸炎ウイルスの進化と気象条件の多様性に基づいた水処理介入効果の評価手法の確立
Project/Area Number |
22KJ0515
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Project/Area Number (Other) |
21J00376 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門屋 俊祐 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 水系感染症ウイルス / ノロウイルス / バイオインフォマティクス / 集団遺伝学 / 胃腸炎ウイルス / ロタウイルス / 地理条件 |
Outline of Research at the Start |
水系感染症ウイルスの多くは非常に高い進化速度を持つことが知られており、自然環境中に遍在する様々な選択圧に対して適応的に振る舞い、ヒト社会においてさえ も種の繁栄を維持し続けている。世界各国の水系感染症ウイルスの遺伝子配列データを収集し、バイオインフォマティクス解析を行うことで、世界中で水系感染症ウイルスによる感染被害が未だに制御できていない原因をウイルス集団遺伝学的観点及び地理的な多様性から追求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水系感染症ウイルスの多くは非常に高い進化速度を持つことが知られており、自然環境中の様々な選択圧に対して適応的に振る舞い、ヒト社会においてさえも種の繁栄を維持している。世界中で水系感染症ウイルスによる感染被害が未だに制御できていない原因をウイルス集団遺伝学的観点及び地理気候的な多様性から追求するため、本年度はノロウイルスに着目し、バイオインフォマティクス解析を行った。 ノロウイルスGIIに関する遺伝子配列を国際塩基配列データベースから取得し、集団遺伝学的プロファイリングを試みた。十分なサンプル数を示した3カ国を対象に集団遺伝学的特性の比較を行った。3つのORFについて塩基多様度を推定したところ、ORF2及びORF3の多様度は比較的高い傾向があった。ORF2において高い多様度を示したオーストラリアの配列は全て下水由来であるため、下水集水域内の全ての感染者のノロウイルス配列の一部が下水中に集積されたためと考えられる。一方、アメリカやカナダの配列は患者糞便由来であり、塩基多様度のばらつきが大きかった。つまり、地域間のウイルスの集団遺伝学的プロファイルを調査するためには、潜在的な感染者由来のウイルスも含む下水から取得された配列が適している。次に、ノロウイルスの進化メカニズムを検証するために、非同義/同義多様度を比較したところ、ORF1及び2は強い選択圧を受けた痕跡があった。しかしながら、昨年度のロタウイルスについての解析結果と同様、各非同義変異の経年変化を見ると低頻度でほぼ一定で推移していることから、単純な自然選択のみでは進化メカニズムを決定することは困難である。Tajima’s Dの推定結果から、ノロウイルス集団に出現する変異の多くはわずかに有害であるが中立よりであり、集団としての適応度に貢献する一部の変異が一部残存することで集団内多様度を高めようとする傾向が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、集団遺伝学的観点及び地理条件の多様性という観点から水系感染症ウイルスがヒト社会で蔓延し続けている原因を突き止め、適切な介入対策の提案を志向したものである。本年度においては、世界各国に由来するノロウイルス遺伝子配列を解析することで、自然選択による有害変異を排除しながらも、中立に近い弱有害遺伝子の一部を保持することで集団内多様度を維持する、という進化方式が示された。これは昨年度検証を行ったロタウイルスの進化方式と類似したものであり、水系感染症ウイルスに共通の進化方式である可能性がある。そのため、ウイルス種毎に対してというよりも水系感染症ウイルスとして介入対策の実施が可能であることを示唆する。また本年度の解析結果から、集水域内の全ての感染者のノロウイルス配列を集積しうる下水データを活用することにより、対象地域における水系感染症ウイルスの集団遺伝学的プロファイルをより正確に把握する可能性も示唆され、今後の研究展開への重大な知見がもたらされたと言える。 以上より、本研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から本年度にかけて、ロタウイルス及びノロウイルスの集団遺伝学的プロファイリングを行った。最終年度においては、これまでの解析結果から垣間見えた水系感染症ウイルスの進化方式が集団遺伝学的理論に合致するかどうか検証するために、常微分方程式を用いたシミュレーションの適用を試みる。また、水系感染症ウイルスの一つであるエンテロウイルス属に関してもバイオインフォマティクス解析を行い、水系感染症ウイルス間で共通のメカニズムに従い、集団構造を変遷させていくか検証を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The intrapopulation genetic diversity of RNA virus may influence the sensitivity of chlorine disinfection2022
Author(s)
S.Kadoya, S.Urayama, T.Nunoura, M.Hirai, Y.Takaki, M.Kitajima, T.Nakagomi, O.Nakagomi, S.Okabe, O.Nishimura, D.Sano
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Journal Title
Frontiers in Microbiology
Volume: 13
Pages: 839513-839513
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Peer Reviewed / Open Access
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