Project/Area Number |
22KJ0564
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Project/Area Number (Other) |
21J20518 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩野 達也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 構造解析 / 植物ホルモン / 膜タンパク質 / 構造生物学 / 植物 / オーキシン / 膜輸送体 |
Outline of Research at the Start |
AUX/LAXシンポーターは植物において生育に重要な植物ホルモンであるオーキシンの細胞内への流入に携わる膜輸送体である。オーキシンは生体内で生合成され、極性輸送によって特定の器官ごとに成長促進や屈性などの生理作用を引き起こすだけでなく、化学合成されたものが農薬として利用されている。本研究ではAUX/LAXシンポーターのアポ状態及び輸送基質である天然のオーキシンや農薬との複合体における立体構造を決定することで、植物のオーキシン輸送における輸送体の構造変化や基質認識機構といった詳細な分子基盤の解明を目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植物の生育において重要な役割を果たす植物ホルモンオーキシンの細胞内への流入を担う膜タンパク質AUX/LAXの立体構造解析を行い、オーキシン輸送メカニズムの詳細を明らかにすることを目的とした。 前年度までで試料調製条件やグリッド作製条件の確立に成功したダイズ由来LAX9について、十分な粒子像の観測できるクライオ電子顕微鏡像の取得に成功した。この撮影データを用いて単粒子解析を試みたところ、十分な量の粒子像の抽出および粒子の二次元平均化像の収束が確認できた。収束した二次元平均化像のクラスに分類された粒子から三次元密度マップへの再構成を試み、ホモログタンパク質と同様の全体構造を示す低分解能の三次元密度マップを得ることに成功した。しかしながら、得られた低分解能マップは膜外領域が乏しいうえに分子量の小さな単量体で存在しているという膜タンパク質の単粒子解析を困難なものにする特徴を有していることが予想され、実際に解析におけるパラメータの検討を行ったものの最終的にダイズ由来LAX9について解釈可能な高分解能の三次元密度マップを得ることはできなかった。 このように比較的分子量が小さく膜外領域に乏しい膜タンパク質の構造解析について、膜タンパク質を人工的な脂質二重層に再構成するという脂質ナノディスク法を用いた研究例が近年多く報告されている。本研究においてダイズ由来LAX9およびより知見の多い代表的なホモログであるシロイヌナズナ由来AUX1について脂質ナノディスクへの再構成系の確立に成功した。さらに脂質ナノディスクに再構成したこれらのタンパク質についての単粒子解析を試みたが、グリッド作製時の試料濃度が低く十分な粒子の像が得られるようなグリッドは得られなかった。 研究機関全体を通してAUX/LAXの構造決定には至らなかったものの、試料調製法の確立などAUX/LAXの構造解析の基礎を構築した。
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