Project/Area Number |
22KJ0583
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Project/Area Number (Other) |
21J20742 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇野 慎介 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 電波天文学 / ミリ波サブミリ波 / 平面アンテナ / 超伝導フィルター / 超伝導検出器 / 超伝導エレクトロニクス / 微細プロセス技術 / テラヘルツ技術 / 銀河団 / 偏波分離器 / 直交偏波分離器 / 光学フィルター |
Outline of Research at the Start |
宇宙の構造形成史と深く結びついている銀河団の動的性質を探るにあたっては、ミリ波サブミリ波帯の広い周波数範囲にわたる多色撮像観測が有効である。本研究では、広視野6色同時撮像が可能なサブミリ波帯多色カメラの実現に向けて、広帯域化が要求されている光子検出器周辺の光学素子および回路素子の開発を進める。特に、検出器回路内の重要な開発要素である平面型直交偏波分離器について、広帯域設計を探索し、製作ののち光学性能評価を行う。最終的には、開発された多色カメラを地上大型サブミリ波望遠鏡へ搭載して6色測光観測を実行し、測定される銀河団プラズマの視線速度分布から銀河団内部におけるプラズマの運動状態を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、広視野かつミリ波サブミリ波帯の広い周波数範囲にわたる観測により銀河団の動的進化を解明することを目的として、広視野6色同時撮像が可能な多色カメラの開発を進めた。この多色カメラの実現に当たっては、望遠鏡焦点面に設置する超伝導光子検出器アレイの多色化および広帯域化が重要な開発課題である。本年度は、多色カメラに搭載する150/220/270GHzの3色検出器アレイの回路設計および試作、測定評価を行った。 特に設計面においては、多色検出器の広帯域化に向けて平面アンテナの設計を更新した。本設計では検出器アレイの製造難易度を下げるために一連の検出器回路をシリコン基板上の超伝導体単層の平面パターンで構成する。従来的な単層のレンズ結合型平面アンテナであるダブルスロットアンテナでは帯域幅が不十分であることから、代わりに先行研究で比帯域100%に近い広帯域が得られるとされている類型の単層平面アンテナを新規に設計した。3次元電磁界シミュレーションを用いて周波数特性を解析し、3色全体の帯域にわたって良好な結合効率を持ち、またビームパターンが広帯域にわたって従来のダブルスロットアンテナと遜色ないような設計最適解が得られた。この広帯域平面アンテナにこれまで設計してきたオンチップのバンドパスフィルター、そして超伝導光子検出器であるマイクロ波力学インダクタンス検出器(MKID)を繋ぎ合わせることで、ミリ波の3色検出器ピクセル全体を製造難易度の低いほぼ単層構造のみかつ最小寸法2μmで構成することに成功した。 以上の検出器設計に基づく試作機として8ピクセル多色検出器アレイの製作および極低温試験を実施した。フィルターと結合したMKIDがほぼ設計通りの共振周波数で読み出せただけでなく、検出器アレイ前面に黒体光源を設置した場合の放射温度変化に対するMKIDの応答も確認した。
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