拡散型二重拡散対流がもたらす海洋大循環・気候への影響の解明
Project/Area Number |
22KJ0600
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Project/Area Number (Other) |
21J20880 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 雄亮 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 二重拡散対流 / 乱流 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、海洋の循環を駆動し気候や生態系にも影響を及ぼす海洋内部での鉛直混合過程の一つである、拡散型二重拡散対流と呼ばれる現象に着目する。拡散型二重拡散対流は、上層に低温低塩分な水が存在する南大洋域や北極海、北太平洋亜寒帯域で起こる可能性があるが、鉛直熱輸送の定量化に必要な鉛直微細構造の観測のデータが不足しているため、実態は今まで明らかになっていなかった。本研究では該当海域における微細構造観測のデータや直接数値計算(DNS)を用いた解析を通して、「水平流速に弱い鉛直シアが存在する場合、従来の想定よりも広範に拡散型二重拡散対流が発生し、鉛直の熱輸送に寄与し得る」という仮説の検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、線形安定論や直接数値計算を用いた先行研究で提唱される「水平流速に弱い鉛直シアが存在する場合、低温低塩分な水が上層に存在する南大洋域や北太平洋亜寒帯域で従来の想定よりも広範に拡散型二重拡散対流が発生し、鉛直の熱輸送に寄与し得る」という仮説を現実の海洋における観測及び数値計算の両面から検証することである。
課題最終年度となる2023年度は、過去三年間でJAMSTEC観測船みらい航海(MR21-04及びMR22-03)に乗船し、低温低塩分水が上層に存在し拡散型二重拡散対流が発生し得るとして本課題で注目する北太平洋亜寒帯海域において取得した、水平流速及び水温の微細構造の連続観測データの解析を行った。得られた微細構造観測データからは、観測された高い水温消散率に対応して、従来の乱流鉛直混合の枠組みから推定されるものよりも1桁近く高い鉛直熱拡散係数が確認された。また、拡散型二重拡散による水温・塩分分布階段状構造の発生の実態を探るべく、最新の先行研究によって提唱された水温・塩分の鉛直渦拡散係数を浮力レイノルズ数の関数として表現するパラメタリゼーションを導入する鉛直一次元のモデルによる数値計算を行った。このモデルによって階段状構造が再現された条件は、先行研究の線形安定論から示唆されるものと概ね整合的であることが確認された。さらに、本課題で扱う拡散型二重拡散対流による鉛直熱輸送の役割が重要とされる南大洋域における鉛直混合の分布とファインスケールパラメタリゼーションに関する研究結果をまとめた論文の投稿と出版、及び学会での研究発表を行った。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)