Analysis of mimetic traits of butterflies using deep learning.
Project/Area Number |
22KJ0606
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Project/Area Number (Other) |
21J20942 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
網野 海 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 深層学習 / 擬態 / チョウ類 |
Outline of Research at the Start |
深層ニューラルネットワークにより捕食者の視覚に基づいた画像認識AIを開発し、捕食者の視点から擬態の完成度を評価できる新システムを構築することで、これまで人間が恣意的に捉えてきた擬態現象を定量的に解明するとともに、他生物群の擬態研究でも捕食実験なしに解析が行えるツールを提供する。具体的には、人間の視覚に基づいた画像分類ネットワークに対して、チョウの捕食者として想定される鳥類の捕食実験等データを元にして転移学習などの補正を行うことにより、捕食者の視覚を再現した画像分類AIを作成する。この画像分類AIの識別力を元に日本産チョウ類のベイツ型擬態を包括的に評価することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、深層ニューラルネットワークを利用した既存の類似度定量化手法に対して、自身の研究課題であるチョウ擬態形質の定量化のため、様々な改良を施した。具体的には、 ① 前年度に開発環境の構築・動作の確認が取れていたLPIPSであるが、本アルゴリズムは大規模画像データセットImageNetを元に学習済みのニューラルネットワークに依存しており、チョウの類似度評価に適していなかった。そこで、前年度に撮影したアゲハチョウ科・タテハチョウ科計32種の標本画像データセットを元に、チョウの種間の距離を最大化するようにLPIPSをチューニングし、チョウのデータセットに対する最適化をおこなった。 ② 捕食者が識別できる/できないチョウの組み合わせのデータを用いて、捕食者の識別において重要でない特徴量の探索を行い、①のチューニング済みLPIPSからこれらの特徴量の出力を除外することにより、より捕食者の反応に近いと思われる類似度評価をおこなった。その結果、従来の認識と異なる類似関係が示唆された。 ③ LPIPSに加え、先行研究でチョウの類似度評価に用いられたButterflyNetの動作を確認し、自身が収集したデータセットに対しても高い画像分類性能を発揮することを確認した。
また、主な研究課題である擬態形質の定量化以外にも発見があった。LPIPSを用いた解析途中にチョウの翅模様における雌雄差及び表裏の差がどのような関係にあるかを調べてみたところ、雌雄差と表裏の差に正の相関を見出すことが出来た。これまで経験的に知られている事柄ではあるものの、定量的な根拠に乏しい現象であり、詳細な解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存手法であるLPIPSとButterflyNetのいずれも自身で改良を加え、前年度に収集したチョウ類のデータセットに対して適用することが出来た。また、研究開始当初予定していた、捕食者を用いた弁別実験を進めることが出来ていない一方で、チョウ類の表裏差と雌雄差の相関に関して当初予期していなかった進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度にあたり、以下の3つの課題に取り組む。 ① 捕食者の反応に関するデータを増やし、前年度に開発・応用した捕食者模倣型類似度評価アルゴリズムの精度を向上させる。 ② 捕食者(鳥類)を用いた弁別実験。 ③ 前年度に得られた表裏差と雌雄差に関する結果の論文化。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)