Project/Area Number |
22KJ0674
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Project/Area Number (Other) |
21J22277 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 駿 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ベダキリン / 抗結核薬 / 全合成 / 炭素-水素結合活性化 / 触媒的アリル化反応 / 光触媒 / ラジカル |
Outline of Research at the Start |
アルデヒドの触媒的アリル化反応は高度に立体制御が可能な分子構築法として確立されているが、従来法は工程数や原子効率の観点からまだまだ改善の余地を残している。本研究では協奏的に複数種類の触媒が機能するハイブリッド触媒系を用いることで、アルケンのアリル位C(sp3)-H結合を温和な条件下で活性化し、アリル位C(sp3)-H結合から直接的にアルデヒドへと付加させる水素原子移動型の触媒的アリル化反応の開発を行う。また触媒の組み合わせにより反応性や選択性を自在に発現させることで、高度な分子変換の方法論を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
抗結核薬ベダキリンの全合成研究を行った。結核は現在でも世界的に深刻な感染症であり、特に多剤耐性結核菌の存在が問題となっている。ベダキリンは多剤耐性結核の治療に用いられる抗結核薬であり、その立体配置によって活性が異なるため、目的の立体異性体の選択的合成は重要である。しかしながら本分子は大きな立体障害を持つ置換基を含んだ連続四置換-三級不斉炭素中心を有するため、その立体選択的合成は難度が高く、効率的な合成ルートの開発が望まれる。こうした背景から、申請者はケトンの立体選択的プロパルギル化反応をカギとすることで、合成上の課題となる連続四置換-三級不斉炭素中心を高立体選択性にて一挙に構築可能なベダキリンの新たな合成ルートを考案し、研究に取り組んできた。 カギとなるケトンの立体選択的プロパルギル化反応による、連続四置換-三級不斉炭素中心をもつホモプロパルギルアルコール中間体の合成に関して、アレニル亜鉛試薬を用いてプロパルギル化反応を行うことによって反応が進行することが分かった。この際、反応温度および反応時間を調整することで目的の立体配置を持つホモプロパルギルアルコールが主生成物として得られることを見出した。さらに、このホモプロパルギルアルコール中間体から、ベダキリンの持つキノリン環の構造を構築することに成功し、最終的に先行研究において報告されている中間体へと変換することでベダキリンの形式合成を達成した。 本研究ではケトンの立体選択的プロパルギル化反応をカギとして、薬剤耐性結核菌の治療に用いられる抗結核薬ベダキリンの新たな合成法を開発した。この研究成果は抗結核薬の研究の発展に寄与し得るものと期待される。
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