Project/Area Number |
22KJ0705
|
Project/Area Number (Other) |
21J23239 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴田 想人 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 植物学史 / 無知学(アグノトロジー) / ジェンダード・イノベーション / 有徳な無知 / 陰謀論 / 医学史 / 博物学史 / 医学思想史 / 科学論 / 無知 / 非自然的なもの / 本草学 / 中世・ルネサンス研究 / シモーヌ・ヴェイユ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、科学技術によって生み出される「無知」を研究する無知学(agnotology)の観点から、西洋中近世医学史における「非自然的なもの」の衰退、すなわち古代以来医学の中心を占めていた飲食や運動、睡眠等に関する知識が、いかにして医学の中から失われていったのかを解明することを目的としている。そのために中近世のヨーロッパで夥しく出版された「健康規則(養生訓)」に着目して、その伝播過程を調べるとともに、それと時代的に並行した医学の制度化(大学医学部や病院の成立)過程との比較考察を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、科学技術によって生み出される「無知」を研究する無知学(agnotology)の観点から、西洋中近世医学史における「非自然的なもの」の衰退、すなわち古代以来医学の中心を占めていた飲食や運動、睡眠等に関する知識が、いかにして医学の中から失われていったのかを解明することを目的としている。そのために本研究は、中近世において医学の一部であった植物学の歴史に特に着目してきた。 最終年度である本年度は、昨年度に引き続き、本研究の視座である無知学と、それに関連する今日的諸問題についての研究を行い、その成果を活発に発表した。『現代思想』に無知学の総説論文、『群像』『中央公論』に無知学と陰謀論をめぐる論考を寄稿したほか、『思想』に無知学の創始者プロクターによるマニフェスト論文を翻訳した。さらに、「有徳な無知」の観点から脳神経科学技術のガバナンスに関する共同研究を行い、その成果を科学技術社会論学会にて発表した。そのほか企業でのアウトリーチ(講演)を2件行った。一方で、植物学史の研究も引き続き行ったが、その成果は次年度以降に出版される見込みである。 本研究の期間全体を通じて行った研究の成果は以下の通りである。まず、無知学に関しては、2021年度に科学史学会にて発表して以来、研究会の開催やエッセー・レビューの執筆、シンポジウムの開催、雑誌寄稿・企業講演等を通じて、かなりの成果を挙げられたと自負している。特に、『現代思想』2023年6月号での特集「無知学/アグノトロジーとは何か」は、日本における無知学の認知度を高め議論を喚起することに大きく寄与したと考えている。 次に、医学史・植物学史については、いくつかのラテン語テクストの読解を進めるとともに、学会発表や雑誌寄稿を通じて、さまざまな角度からの考察を試みてきた。しかし、いまだそれらが大きな像を結ぶには至っておらず、今後の課題として残った。
|