Project/Area Number |
22KJ0722
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Project/Area Number (Other) |
22J00304 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 優佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 機械学習 / CT画像 / モーションキャプチャ / 足部 / 運動学 / 歩行 |
Outline of Research at the Start |
足部変形疾患は加齢とともに増加し、疼痛や歩行障害を引き起こすため、介護要因になりうる深刻な疾患である。足部変形疾患は動作中に生じる足部へのストレスが原因となるが、歩行中の足部内部で生じる骨運動を定量化するには技術的限界がある。そこで、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを開発することによって、足部変形疾患者の3次元骨運動を定量化することを目指す。足部変形疾患の発症・進行メカニズムの解明に取り組み、足底板療法を処方する上での評価を定量化する。本研究は足部変形疾患の予防・進行予防に向けた理学療法アプローチに変革を及ぼしうる基礎的データを提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発し、外反扁平足患者の歩行動作における足部3次元骨運動と各骨に働く力学的ストレスを評価することで、外反扁平足の発症・進行メカニズムを解明することを目的とした。 まず、足部皮膚表面上に貼付したマーカの位置から、動作中の3次元骨運動を推定するニューラルネットワークモデル(NN)を構築した。具体的には、足部皮膚表面上の解剖学的特徴点に貼付した計41点のマーカ(直径4 mm)の位置(41×3DOF)を入力、9つの骨(距骨、踵骨、舟状骨、立方骨、第1~5中足骨)の位置と姿勢 (9×6DOF)を出力とする4層のNNを構築した。モデル構築に必要な入出力値の対応データは、様々な足部姿勢でCTスキャンを行うことで取得した。CT撮影は、健常成人11名を対象に、非荷重の中間位と、足部の変形を伴った模擬荷重姿勢2種類を行い、画像解析ソフトを用いてマーカ形状と足部骨形状を抽出することで、マーカの位置と骨の位置と姿勢を取得した。同様の計測を、屍体足部標本13個体についても行った。次に、22個体のデータを用いて2乗和誤差を損失関数とする教師あり学習を行い、残り2個体のデータを用いて、NNの精度評価を行った。構築したニューラルネットワークモデルは、骨の姿勢で約0.6°、位置で約0.5 mmの精度で推定することが可能であり、足部の3次元骨運動を推定するのに十分な精度を有することが示された。また、構築したNNの有効性を歩行中のマーカデータに適用することで確認した。推定された骨の姿勢から関節角度を算出したところ、2方向X線装置を用いて足の骨運動を計測した先行研究と類似した結果を得ることが可能であった。 今後は、構築したNNから得られる動作中の足部骨運動評価に基づいて、効果的な足底板を設計し、その介入効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発し、外反扁平足患者の歩行動作における足部3 次元骨運動と各骨に働く力学的ストレスを評価することで、外反扁平足の発症・進行メカニズムを解明することを目的とした。 現在までに、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムの開発は概ね達成した。具体的には、足部皮膚表面上に貼付したマーカの位置から、動作中の3次元骨運動を推定するニューラルネットワークモデルを構築した。構築したニューラルネットワークモデルは、骨の姿勢で約0.6度、位置で約0.5 mmの精度で推定することが可能であり、足部の3次元骨運動を推定するのに十分な精度を有することが示された。また、構築したニューラルネットワークの有効性を歩行中のマーカデータに適用することで確認したところ、2方向X線装置を用いて足の骨運動を計測した先行研究と類似した結果を得ることが可能であった。現在、上記内容については、論文投稿中である。 今後は、構築したニューラルネットワークモデルから得られる動作中の足部骨運動評価に基づいて、より効果的な足底板を設計し、その介入効果を検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発し、外反扁平足患者の歩行動作における足部3次元骨運動と各骨に働く力学的ストレスを評価することで、外反扁平足の発症・進行メカニズムを解明することを目的とした。 現在までに、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムの開発は概ね達成したが、必ずしも十分とはいえない。モデル構築に収集したデータは、男性と高齢者が大半を占めていたが、足部形態や運動は年齢、性別、足部疾患 (扁平足、凹足、外反母趾) などで変化することが報告されている。今後についても、さらに対象を広げてデータ収集することに努め、より精度の高いシステムの構築を目指す予定である。 また今後は、構築したシステムから得られる動作中の足部骨運動評価に基づいて、足底板を設計し、その介入効果を検証する予定である。具体的には、足部と足底板の有限要素モデルを作成し、構築したシステムから得られた歩行中の足部運動をコンピュータ内で再現し、歩行中の足部骨に作用する圧縮力、および周囲の靭帯や筋の張力を推定する。足底板の素材・構造についてのパラメータを設計・変更することで、歩行中の足部内における力学的環境を変化させ、足部変形疾患の発症・進行を惹起させる骨変位や力学的ストレスの変化を定量化し、より効果的な足底板の設計、および介入効果の評価を行う予定である。
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