Project/Area Number |
22KJ0725
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Project/Area Number (Other) |
22J00356 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前野 優香理 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 生合成 / 真菌 |
Outline of Research at the Start |
カイトセファリン(KCP)は真菌の一種により生産される二次代謝産物であり、3つのアミノ酸が炭素-炭素結合で連結した他に例の無いユニークな化学構造を有する。KCPは哺乳動物の記憶や学習などの高次機能に関与するイオンチャネル型グルタミン酸受容体のサブタイプの一種、NMDA型受容体の選択的なアンタゴニストとして作用し、神経保護薬としての可能性を秘めているが、生産菌による生産量がきわめて低く、十分な生理活性試験が行われていない。本研究では、稀少なKCPの安定供給を目的として、生産菌からKCPの生合成遺伝子を同定し、Aspergillus oryzaeへの異種発現によるKCP大量生産系の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
カイトセファリンは、アミノ酸がC-C結合で連結した他に例の無い特異な化学構造を有しており、その生合成機構に興味が持たれる。昨年度までに、カイトセファリン生産菌を様々な培養条件で培養することで、特異なカイトセファリン生産条件を見出していた。本年度ははじめに、生産条件と非生産条件で比較トランスクリプトーム解析を行った。RNA-seqの結果、推定していた生合成遺伝子クラスター領域中の遺伝子が生産条件でのみ、高度に発現していたことが分かった。さらに、antismashや2ndfind等の予測プログラムでは見出されなかった数種の遺伝子が存在していることが判明した。これらの結果を踏まえ、クラスター中のすべての遺伝子を麹菌へ異種発現することを試みた。クラスター中のすべての遺伝子をノックインする場合、挿入する断片が長いため、野生株を宿主とした場合は形質転換効率が非常に低かった。そこで、非相同末端結合に関与する遺伝子ku70を破壊した株を宿主として用いたところ、形質転換効率を大幅に向上させることができた。これにより、カイトセファリン推定生合成遺伝子のすべてを導入した麹菌株の作製に成功した。今後は、これを用いて代謝産物解析を行う予定である。また、RNA-seqの結果からクラスター中の遺伝子の正確なスプライシング情報を得ることができたため、一部の酵素については大腸菌を宿主として発現・精製し、予想基質を用いて酵素反応を行った。その結果、生合成経路中の一部の反応について基質と酵素の機能を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNA-seqの解析のためにプログラミング技術を学習する必要があり、習得に時間を要した。また、麹菌宿主に導入する遺伝子数が多く挿入する断片が長くなるため、形質転換効率が低下し、形質転換体の取得に多大な時間がかかっていた。これに対しては、宿主株を変更することで効率を改善し、目的の形質転換体を取得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は推定生合成遺伝子を導入した形質転換体を培養し、代謝産物解析を行う。その際、生産菌による特異なカイトセファリン生産条件を参考に、培地に栄養塩や基質を添加する予定である。また、生産菌のRNA-seqの結果から酵素遺伝子のスプライシング情報が得られたため、これを利用してin vitro再構成によるアプローチを並行して進める。生合成遺伝子クラスターのうち、機能が予測できている遺伝子から大腸菌を宿主として発現してタンパク質を精製し、酵素反応を試みる。
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