集団意思決定における畏敬の念の「創発」的影響と機序の解明
Project/Area Number |
22KJ0740
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Project/Area Number (Other) |
22J00783 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 了太 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 協調 / 鹿狩りゲーム / 畏敬 / 心拍変動 / 不確実性 / 身体生理反応 |
Outline of Research at the Start |
集団全体が単独の個人よりも優れた解を導く集合知の創発メカニズムを理解する上で、その阻害要因の解明は重要課題である。特に、デジタル空間の発展が著しい現代において、エコーチェンバー現象に代表されるように、社会の分断はますます深刻化しており、その発生機序の解明は急務である。本研究は、ナラティブ(ソーシャルメディアなどを通じて広がる「ストーリー」)に着目し、その構築過程について、様々なトピック (政治や社会問題など) について議論する中で、人々の背景認識が"ローカルに"収束する階層的ダイナミクスを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
個々の人間のインプットを集団としての優れたアウトプットにつなげるために、それぞれの行動をどのように相互調整するかという問題を、「コーディネーション問題」と呼ぶ。コーディネーションが成功する相互作用メカニズムを明らかにすることは、社会的共存の実現にかかわる極めて重要な課題である。昨年度、マス目状の鹿狩りゲームを用いることで、どのようなインタラクションを通じて協調(コーディネーション)が実現されるのかについて、その行動・生理的相関調べた実験を行った(N = 72)。このゲームにおいて、参加者は、マスに置かれた自分のプレイヤーを動かし、相手プレイヤーと2人でマンモスを捕獲するか(報酬大)、各々でウサギを捕獲するか(報酬小)を選択した。本研究は、不確実な状況(ゲームの利得構造など)における優れたパフォーマンスとの関連が指摘されている心拍変動(拍間のばらつき)に着目し、プレイ中の心拍変動の高さの組み合わせによって、マンモス捕獲(協調成功)率に違いがあるのかどうかを調べた。結果、心拍変動の高いプレイヤーを含むペア(高-高・高-低)は、含まないペア(低-低)よりマンモス捕獲率が高かった。さらに、マンモス捕獲難易度が高いゲームにおいてこの傾向は顕著であった。報告者はこれらの成果をまとめ、現在国際誌投稿に向けて論文執筆中である。また、集団協調を促進しうる感情である「畏敬」に関する研究を並行して実施し、複数の論文を国際誌に投稿中である。さらに、これらの研究を発展させ、集団的な決定場面において、様々なトピックに対する認識がどのように収束するのか(ナラティブなど)に着目した実験を計画し、準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、集団協調が実現する条件の解明にかかわる新たな知見を見出した。このように現在進行中の研究データを蓄積し、学術誌に論文を複数執筆・投稿している。また、学会発表にも積極的に参加し、学会賞を2つ受賞した。さらに、新たな研究も計画中であり、今年度の研究活動の見通しがたっていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り新たに見出した知見を発展させ、集団的な決定場面において、様々なトピックに対する認識がどのように収束するのか(ナラティブなど)を検討する。 そのために、中から大規模のオンライン実験を実施し、新たな解析技術(自然言語処理など)の習得に励む。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)