Project/Area Number |
22KJ0746
|
Project/Area Number (Other) |
22J01052 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 太郎 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 感情 / 人格 / 規範性 / ヒューム / 責任 |
Outline of Research at the Start |
「規範性についての懐疑論にどう応答すべきか」という問いについて、感情主義的な立場からの応答を確立させることを目的とする。感情主義的構成主義は、特定の感情の対象になることがまさにわれわれを「人格」足らしめ、この人格の特徴がまさに規範に従う理由を与えると主張する。この主張を確立するために、以下の研究を行う。まず、「人格」という概念が、感情に言及することによって最もよく捉えられることを示す。次に、ある規範に従うことは、そのような感情主義的に理解された人格概念の構成的な部分であることを示す。最後に、構成主義一般に向けられる重要な問題である、「人格」であることに対する懐疑論への応答を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究計画に記した二つ目の課題である人格と規範性の関係を明らかにするという課題に取り組んだ。この研究課題に取り組んだ結果、ある規範を追求することが人格を人格足らしめるという構成主義的見解をヒューム的感情主義に見出すことができた。前年度得られた感情主義的な人格概念と合わせて、ここに感情と規範性の強い結びつきが示されたことになる。規範性に関する懐疑論への応答は、規範に従うことがまさに私を私たらしめている愛や誇りを構成するからだ、というものになるだろう。この成果は英文雑誌に掲載されることが決定している。また、こうした見解に付随する論点についての考察もいくつか行なった。まず、規範性が何らかの心理に依存するのであれば、ヒューム流の感情主義においてそのような規範性の一般性はどのように確保されるのかという課題が残る。この課題に取り組んだ結果として、個々の心理を改造することは難しいとしても、ある種の社会的環境を通して哲学・学問といった規範的な営みの追求が促進されるという見解に達した。特にヒュームの古代哲学に関するエッセイや、社会構造と学問的傾向に関するエッセイの読解を通じてこの成果は得られた。この成果は和文誌に掲載されることが決定している。また、徳という概念を規範性の基礎におく見解は本研究と競合しうるものだが、徳に基礎的な説明的役割を担わせないという点において本研究はこれらのアプローチと異なるという見解に至った。その成果は国際学会にて発表された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に予定していた人格と規範性の関係、およびそれに関連する研究について論文として成果を出すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は3つ目の課題である、「人格であることについての懐疑論」に応答することに取り組む。アイデンティティ変化に関する文献の調査が中心になるだろう。
|