Project/Area Number |
22KJ0817
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Project/Area Number (Other) |
22J11735 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 優作 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エピジェネティクス / トランスポゾン / 構造生物学 / 核酸結合蛋白質 / VANDAL / VANC / DNA脱メチル化 / 遺伝学 |
Outline of Research at the Start |
VANDAL属TEの自己配列特異的な脱抑制には、抗抑制因子VANCが不可欠である。本研究では、VANC蛋白質が標的DNA配列に特異的に結合する分子基盤の解明を目指す。 そのために、「VANCのDNA相互作用領域が、サブタイプレベルでの高い特異性に寄与すること」、及び「VANCの多量体化が、密集した結合配列との高い結合安定性を担保すること」の証明を目指す。 構造情報をもとにDNA相互作用領域や多量体形成に関わる領域を変異させたVANCを作出し、「蛋白質を精製し、in vitroで結合配列の特異性を調べる実験」と「VANCを植物個体内部で発現させて、ゲノム上での局在を調べる実験」を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究を開始する時点では、VANCサブタイプの1つであるVANC21と標的配列とが1対1で結合した複合体の構造が得られていた。そして最終年度には、密集した結合配列と多量体化したVANC21との「多対多」の複合体の構造解析、及びDNAとの相互作用や多量体形成に必要なアミノ酸残基を変異させたVANC21を用いた機能解析を予定していた。 まず、DNAとの相互作用に関わるアミノ酸残基にアラニン置換を施した変異型VANC21を作出し、VANC21標的配列との結合親和性を生化学的手法により解析した結果、一部の残基について、標的配列の認識への寄与が認められた。しかし、VANC21のDNA相互作用領域を他のサブタイプのVANCと入れ替えることで、標的配列が変化するか検証しようとした試みに関しては、十分な結果は得られなかった。その理由としては、作出した変異型のVANC21多くは可溶化せず精製が難しかったことなどが挙げられる。また、結合配列とVANC21との「多対多」の複合体の構造解析には至らなかった。 一方で、VANCのサブタイプ同士の配列比較と構造情報とを組み合わせることで、想定以上の知見が得られた。例えば、VANC21のDNA相互作用残基の多くはヘリックスなどの特定の構造を取らないループ領域に存在し、その中にはサブタイプ間で保存性が低いものが多く、VANCはDNA相互作用領域のアミノ酸を変化させやすいことが分かった、また、VANCはそのドメイン構成から2つのサブグループに大別されるが、VANC21を含むクレードでのみ保存されている相互作用領域により、認識出来るDNAの塩基長が伸びている可能性が高いことが判明し、VANCの標的配列認識機構の多様性への理解が深まった。これらの知見はVANCのサブタイプレベルでの高い標的配列特異性の分子基盤の理解に大きく寄与するものである。
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