アルツハイマー病発症におけるAβ依存的なタウ病理進展機序の解明
Project/Area Number |
22KJ0819
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Project/Area Number (Other) |
22J11754 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内上 寛一 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アミロイドβ / タウ蛋白質 / アミロイドアンギオパチー / アルツハイマー病 |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病(AD)では,Amyloid β (Aβ)とタウが発症の鍵分子だが,両者を繋ぐメカニズムは明らかでない.本研究では,何らかの異常なAβ分子種がタウ蓄積病変の進展を惹起し神経細胞死を生じるとの仮説を立て,そのメカニズムを検証する.また,当グループではADモデルマウスから抽出したTBS可溶性,高分子量のAβ speciesをseedの本態と同定したが,Aβ seedがどこに存在しどのように拡がるかは不明である.近年,Aβ の伝播を疑うヒト症例では脳アミロイドアンギオパチー (CAA) 病理が目立つとの報告を踏まえ,AD剖検脳を用いてAβ seedとCAAの関係性を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
タウ病理惹起に寄与するAβ分子種を同定するために,アミロイド前駆体蛋白質トランスジェニック (APP tg) マウス脳から複数の抽出方法でAβ粗抽出液を生化学的に得た後,タウtgマウス脳に接種し,免疫組織化学的解析を行った.このうち,tris-buffered saline (TBS) 可溶画分はタウ病理を惹起せず,不溶性画分 (蟻酸可溶画分) はタウ病理を誘発したことから,不溶性画分中にタウ病理惹起を惹起するAβ分子種が存在すると考えられた. Amyloid β (Aβ) の伝播が疑われるヒト症例では,脳アミロイドアンギオパチー (CAA) 病理が目立つことが近年報告されている.我々は,これまでアルツハイマー病 (AD) モデルマウスから抽出したTBS可溶性,高分子量のAβ speciesをseedの本態として同定してきたが,上記背景からCAAとAβ seedの関係性を明らかにすることを主目的として研究を進めた.AD剖検脳を用い,とくにCAAの目立つケースと乏しいケースとの比較や,脳血管・髄膜のみからの抽出と脳実質からの抽出との比較を通して, Aβ seedが脳実質より脳血管・髄膜に豊富に検出され,かついずれもin vivoでseed能をもち,CAAとAβ plaqueをともに惹起すること,またAβ seedがCAAに関連して存在することを示した.さらに,Aβ seedをADモデルマウスの大槽へ投与することで,Aβ plaqueよりもCAAを主として誘発するモデルを作出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,前半としてタウ病理を惹起するAβ分子種の同定と,それに基づくAβ分子種依存的なタウ病理進展メカニズムの解明,後半としてAD患者脳におけるAβ seedとCAAの関係性の検討,から構成されている. 前半のAβ分子種依存的なタウ病理進展については,ADモデルマウスの不溶性画分 (蟻酸可溶画分) はタウ病理を誘発したものの,その程度は僅かであり,今後抽出方法やincubation time,接種月齢など,条件検討をおこなうことで,より良い評価系を確立できる可能性がある. 後半について,AD剖検脳から髄膜を剥離し,ゲル濾過クロマトグラフィーなど生化学的手法と組み合わせることで,髄膜からはじめてAβ seedを得ることが可能となった.この系に基づき,CAAとAβ seedとの関連性を探索する中で,CAAはAβ seedを保持する貯蔵庫としての役割があるなど,新たな機能を見出すことができた.またAβ seedを大槽に接種しCAAを誘発する系を構築し,Aβ seedが拡がっていく経路を検証する足掛かりを得た.
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Strategy for Future Research Activity |
前半については,タウ病理を惹起するAβ分子種の抽出方法やその他条件検討をおこなうことで,Aβ依存的なタウ蓄積を呈するより良い評価系を構築する.そのうえで,同評価系を用いて,Aβ分子種によってタウの質的な変化が生じるか,また細胞外腔への放出が亢進するかを,それぞれmass spectrometryによるタウ翻訳後修飾の解析やタウバイオセンサーセルへの投与による解析,in vivo microdialysis法を用いた脳間質液タウ量の測定などから明らかにする. 後半については,AD剖検脳を用いたCAAとAβ seedの関係性について,apoE多型別に抽出されるAβ seedを比較するなど,剖検検体をさらに増やして検証を行う. Aβ seedがCAAに豊富に検出されることから,Aβ seedが血管由来の何らかの分子とco-associateしている可能性を考え,AD剖検脳のAβ seedを含む画分を用いて免疫沈降-質量分析 (IP-mass)解析を行い,Aβ seedと結合しうる複数の候補蛋白質を同定する. Aβ seedをマウス大槽へ投与することによって得られる,CAAを惹起するモデルについては,経時的な解析を進め,CAAに存在するAβ seedがglymphatic systemを介して脳実質に伝播する可能性を考え検証するとともに,生体内から得られるAβ seedを濃縮する系を構築し,AD脳脊髄液中からAβ seedが検出されるか,AD病期や進行速度との関連性なども含め検討したい.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)