Project/Area Number |
22KJ0848
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Project/Area Number (Other) |
22J12264 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Toyo Gakuen University (2023) The University of Tokyo (2022) |
Principal Investigator |
樋口 大夢 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ハンナ・アレント / 自発性 / 主権者教育 / 政治と教育 / 反出生主義 / 子ども |
Outline of Research at the Start |
近年、主権者教育の推進に向けて多様な視点からのアプローチが試みられている。こうした動向を受けて本研究では、第二次大戦後のアメリカで活躍した政治理論家ハンナ・アレント(1906-1975)の「自発性」の観点から彼女の教育と政治をめぐる議論に着目することを通じて、若者の政治参加における多面性を踏まえた主権者教育の理論的基盤を構想することを目的とする。具体的には、アレントの思想研究に取り組みつつ、現職教員らと交流することを通じて、初等・中等教育に適用可能な主権者教育の理論的基盤の構想を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、主権者教育の推進に向けて多様な視点からのアプローチが試みられている。こうした動向を受けて本研究では、第二次大戦後のアメリカで活躍した政治理論家ハンナ・アレント(1906-1975)の「自発性」に関する議論の観点から彼女の教育と政治をめぐる議論に着目することを通じて、若者の政治参加における多面性を踏まえた主権者教育の理論的基盤を構想することに取り組んだ。 具体的な研究の成果としては、2022年8月に開催された日本教育学会第81回大会の口頭発表(「教育における「保守」の意味を再考する―ハンナ・アレントのルソー批判を手がかりに―」)、2022年10月に開催された教育哲学会第65回大会での口頭発表(「ハンナ・アレントの「行為」における非主権性―主権者教育を再考する手がかりとして―」)、そして、2023年6月に刊行された『教育学研究』第90巻第2号に掲載された論稿(「反出生主義をめぐる今日的状況に対して教育(学)は何ができるのか」)を挙げることができる。現在は、こうした成果を踏まえつつ、博士論文の執筆に取り組んでいる。 こうした研究成果からみえてくるのは、アレントが従来の研究で指摘されてきたような子どもの政治参加とは異なる、新たな子どもの政治参加の可能性を模索していたということである。アレントは、大人による子どもの「政治」利用の問題を指摘し、それとは異なる子どもの政治参加の可能性を「自発性」に関する議論から立ち上げていた。こうしたアレントの教育論は、これまでの教育学が前提としてきたものを共有しない、新たな議論として捉えることができる。本研究は、こうしたアレントの議論を土台にすることを通じて、若者の政治参加における多面性を踏まえた主権者教育論の可能性について考察を試みた。
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