Project/Area Number |
22KJ0854
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Project/Area Number (Other) |
22J12322 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 滉己 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スロー地震 / 南海沈み込み帯 / メキシコ沈み込み帯 |
Outline of Research at the Start |
スロー地震と称される現象群のうち、0.1秒から100秒の周期帯において地震計で観測されるような地震動を伴う現象については同一の広帯域な現象であるという理解が広がりつつある。しかし数日以上の時定数を持った、歪計やGNSSといったもので地殻変動として観測される現象との関係は十分に分かっておらずスロー地震現象の統一的理解には至っていない。本研究では歪計のデータを用いて1000秒程度の時定数のスロー地震現象の検出を試みることで、スロー地震現象の地震学的な側面と測地学的な側面の定量的な橋渡しを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでスロー地震の研究は日本やアメリカ西海岸といった密な観測網が整備された地域で特に精力的に行われており、その他の地域では必ずしも網羅的もしくは長期的な解析は行われていない。本研究では、観測点分布がまばらな観測網しかない地域にも適用可能な、単一観測点の地震計データからスロー地震を検出する手法の開発を行った。スロー地震を検出する際、従来は用いる周波数帯域を高周波数帯域(1-10 Hz)か低周波数帯域(0.01-0.1 Hz)に限定し、それぞれの周波数帯域で確認されるシグナルを1つのイベントとして検出していた。本研究ではこれらの2つの周波数帯域の情報を使い、地震波エネルギーレートと地震モーメントレートという現象の規模を表す物理量に変換した上で、2つの帯域で相関をとることで広帯域なシグナルとしてスロー地震を検出する。令和4年度はこの手法を日本及びメキシコのデータに適用し、手法の性能評価およびこれまで知られていなかったスロー地震活動の検出に成功した。令和5年度はさらに世界中のデータに適用し、アメリカ西海岸南部での検出に成功した。この地域ではこれまで低周波数帯域でのスロー地震のシグナルは検出されておらず、広帯域な現象としての地震性スロー地震という考え方の普遍性を支持する結果である。一方、日本とメキシコのデータで確認できなかった種類の誤検出も得られたことから、手法に改善の余地があることも確認できた。これらの研究成果について国内学会と国際研究集会、国際学会で発表を行った。
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