Revealing Particle Acceleration Mechanisms by Magnetic Energy Release with Advanced Hard X-ray Solar Imaging Spectroscopy
Project/Area Number |
22KJ0873
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Project/Area Number (Other) |
22J12583 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 俊作 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | CdTe半導体素子 / 半導体検出器 / 太陽フレア / スペクトルフィッティング / ミューオン |
Outline of Research at the Start |
磁気再結合とそれに伴う粒子加速過程の解明を目指す上で、太陽フレアは多波長で明るく詳細な観測が可能なため最適な観測対象である。本研究では、鍵となる加速の現場である再結合領域周辺からの希薄な硬X線放射観測実現を目指し、国際共同ロケット実験FOXSIの4回目の打ち上げ FOXSI-4に向け、1 keVのエネルギー分解能と20 um 以下の位置分解能を兼ね備えた新型CdTe両面ストリップ焦点面検出器の開発を行う。並行して空間分解能はないものの軟X線帯域で高いエネルギー・時間分解能でフレア観測を実現した超小型衛星MinXSSのデータ解析を行い、粒子加速に伴う熱的・非熱的放射の性質を整理、定式化を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
国際共同太陽観測ロケット実験FOXSIの4回目の打ち上げ、FOXSI-4に向け、1 keV以下のエネルギー分解能と20 μm以下の位置分解能実現を目指し新型CdTe-DSD検出器: Wide-gap CdTe-DSDを開発を進めている。密封線源を使った一様X線照射試験、さらに兵庫県Spring-8にて10 μm にX線を絞ってビームスキャン試験を実施。ギャップによる波高値の減少を考慮したエネルギー再構成方法と、隣接ストリップ間における電荷分割現象を考慮したサブストリップレベルでのX線反応位置再構成方法を構築することで、0.9 keVのエネルギー分解能(FWHM)と~20 umの空間分解能が実現できることを示し、 FOXSI-4の要求性能が満たされることを確かめた。 太陽フレアでの粒子加速機構の鍵となる熱的・非熱的放射の理解に向け、MinXSS(軟X線)とRHESSI(硬X線)の観測データを組み合わせ、M7.6クラスの大規模フレアに対しスペクトル解析を実施。X線天文学の解析ツールXSPECを解析に導入することで、1.5-100 keVの広X線帯域でのスペクトル解析を初めて実現し、最短10秒ごとにフレアの多温度構造の時間発展追跡に成功、AIAによる紫外線、NoRPによる電波観測結果と組み合わせ、各温度成分の放射起源推定を行った。 また、本研究での開発過程で得られたスペクトル解析技術を活用し、はやぶさ2がサンプルリターンに成功した試料に対するミューオンビームを用いた非破壊検査に参加、検出器応答を組み込んだスペクトル解析技術を活かし、ミューオンビームを照射した際に発生する各元素由来のX線ピークを正確に定量化、元素組成を決定する上で主要な貢献を果たした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、検出器開発・太陽フレアデータ解析両面で順調に進んでいる。世界で例がなくレスポンスが難しいWide-gap CdTe-DSDのエネルギー・位置再構成アルゴリズムを確立、FOXSI-4で要求性能を満たすことに成功した。また、太陽フレア解析については、X線天文学のスペクトル解析技術をフレア解析に応用することで解析上の課題を解決し成果創出に成功、論文も出版された。さらに加えて、X線天文学のスペクトル解析技術をはやぶさ2のサンプルリターン試料分析という放射分析化学領域に適用することで、各元素由来のX線ピークの定量化、元素組成決定に貢献。他の研究分野の課題解決にも繋がるスペクトル解析技術の確立に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、2024年に行われる国際共同太陽観測ロケット実験FOXSI(Focusing Optics X-ray Solar Imager)の4回目の打ち上げ、FOXSI-4に向け硬X線焦点面検出器CdTe半導体両面ストリップ検出器(CdTe-DSD)の開発を進める。特に、計6台の検出器の性能評価を行うとともに、アメリカ・ミネソタ大学、カリフォルニア大学バークレー校に滞在し、他の検出器及び光学系と組み合わせた統合試験を実施する。また、太陽フレアを観測対象とするFOXSI-4における計測光子数が増加、さらに搭載される計7台もの検出器 データの同時処理に対応するため、物理計測用FPGAボードSPMU-001とSpaceWireを利用した新たな機上データ処理系ネットワークの構築を進める。特に検出器からのデータ処理、メモリマップの構築、書き込み方法の実装を行う。さらに地上でのデータ取得システム試験に向けたシミュレータの開発を行い、検出器と合わせて試験を行う。並行して、MinXSS(軟X線)とRHESSI(硬X線)の観測データを組み合わたM7.6クラスの大規模フレアに対しスペクトル解析を発展、非熱的放射のべきの時間発展と、元となる加速電子の分布・輸送機構との関連性を探るため、太陽フレアの2ゾーンモデルによる数値計算を行い、観測結果と比較しながらフレアの熱的・非熱的放射の性質の整理・定式化を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(31 results)
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[Presentation] 太陽観測ロケット実験FOXSI-4に向けたワイドギャップCdTeストリップ検出器の開発と性能評価III2023
Author(s)
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