Project/Area Number |
22KJ0972
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Project/Area Number (Other) |
22J15020 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉野 良祐 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 近代建築史 / 雑誌 / メディア / ジャーナリズム / 中村達太郎 / 岡田信一郎 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大正期~戦後間もない時期(貫戦期)の日本建築界における、ジャーナリズムの歴史と歴史観の変遷を統合的に理解しようとする試みである。大正期以降多く現れた建築系雑誌(『建築新潮』『新建築』など)に着目し、その網羅的な調査を行うことで、メディアごとの記事の性質、編著者の動向、社会的な影響力や意義などを通史的に記述する。いくつかのテーマをケーススタディ的に取り上げる中で、人文学における雑誌研究を建築史研究に応用する可能性を拡張することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大正期~戦後間もない時期(貫戦期)の日本建築界における、ジャーナリズムの歴史と歴史観の変遷を統合的に理解しようとする試みである。大正期以降多く現れた建築系雑誌(『建築新潮』『新建築』など)に着目し、その網羅的な調査を行うことで、メディアごとの記事の性質、編著者の動向、社会的な影響力や意義などを通史的に記述することを目指す。加えて、ジャーナリズムの動向を左右するような歴史観や社会思想、とりわけ唯物史観や社会主義のような時代を画する潮流に着目し、メディアの変遷の背後にある建築と社会の関係の変遷を明らかにする。 本年度の研究成果としては、①中村達太郎に関する査読論文の刊行、②岡田信一郎研究の進展、が挙げられる。①中村達太郎は、明治期以来『建築雑誌』を始めとする多くの建築系雑誌・書籍の刊行に携わった人物であり、今回公表した査読論文では、『建築学階梯』の成立過程について海外の影響や国内の状況を考察した。また、②岡田信一郎は、1910年~20年代の建築系雑誌に数多くの記事を執筆した人物で、国民美術協会や東京美術学校において他の芸術分野との人脈も広く、そのころの建築ジャーナリズムの理解には欠かせない人物である。岡田についての研究が進展し、日本建築学会での学会発表などを行った。 なお、本年度の10月より、育児のため特別研究員の採用を一時中断している。再開は令和6年10月を予定しており、これまでの成果をさらに発展させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、コロナ禍の影響や研究資料を所蔵している施設の突然の閉館など、様々な要因が相まって「(3)やや遅れている。」という状況であった。令和5年度は、研究題目や趣旨を変えることなく、調査する人物や資料群について軌道修正を行った。岡田信一郎研究のように、本テーマにおいて重要な軸となる研究の方向性も深まり、おおむね順調に進展していると言える。なお、本年度の10月より育児のため研究活動を中断しているが、令和6年度10月より再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年10月に研究活動を再開し、学位論文を含む学術論文の執筆を中心に研究活動を推進する。本課題は、日本近代建築史を専門とする研究者と様々な形で関わりうるテーマであるため、学会などの場で研究者間の交流を持つ意義は大きいだろう。学会発表や査読論文の発表を通じて、研究成果を公表することに力点を置きたい。
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