新規ゲノム編集技術を用いた葉緑体ゲノム上の有用SNPsの単離とその集積利用
Project/Area Number |
22KJ1004
|
Project/Area Number (Other) |
22J20237 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中里 一星 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 葉緑体ゲノム / ランダム変異導入 / ゲノム編集 / 除草剤耐性 / 塩基編集 / 植物 / シロイヌナズナ / 葉緑体 / プラスチド |
Outline of Research at the Start |
葉緑体ゲノムは、光合成の鍵となる遺伝子を保持しているため、その改変によって作物の収量やバイオマスが向上する可能性がある。しかし、葉緑体ゲノムは改変が困難であり、また作物の農業的な性質を強化する塩基多型の情報が乏しいことなどから、作物の品種改良にほとんど利用されてこなかった。本研究では、モデル植物シロイヌナズナを用いて植物の葉緑体ゲノムにランダム変異を導入する方法の確立を試み、さらに作物の農業的な性質を強化する葉緑体ゲノム上の塩基多型の同定やその実用作物への水平導入をも目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
葉緑体ゲノムの特定の領域においてランダムに変異 [C:G対 (シトシンとグアニンのペア) からT:A対 (チミンとアデニンのペア) への塩基置換) を導入することを試み、「標的配列周辺において複数のアリルパターンを有する変異体集団の創出」に成功した。今後は、当初の目標である「標的配列周辺において多様なアリルパターンを有する変異体集団の創出」に取り組む。
葉緑体ゲノムは多くの植物種で母性遺伝し、そのような種では葉緑体ゲノムに除草剤耐性変異を有する個体を一代雑種育種の種子親として用いることで、除草剤耐性雑種種子を効率的に作出できると期待される。しかし、葉緑体ゲノムは改変困難であるため、これは実現されてこなかった。そこで、私たちは葉緑体ゲノム標的一塩基置換酵素ptpTALECDやptpTALECD_v2を用いて、シロイヌナズナ葉緑体ゲノムにコードされるD1タンパク質に特定のアミノ酸変異を導入した。この変異は、光合成細菌や藻類等を用いた先行研究で単離された変異で、市販の除草剤への耐性を付与することが知られている。本研究で作出したシロイヌナズナ変異体は、作物栽培時に推奨されている用量の除草剤を噴霧した後でも生存し (野生型個体は枯死した)、また除草剤非存在下での生育は野生型個体と同等だった (Nakazato et al., under revision)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉緑体ゲノムの標的配列周辺において複数のアリルパターンを有する変異体集団の創出、ならびに葉緑体ゲノム改変による除草剤耐性個体の作出に成功したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
葉緑体ゲノムに変異導入するための酵素を改変することで、標的配列周辺において多様なアリルパターンを有する変異体集団を創出できるかどうかを検証する。また、作出した変異体の葉緑体ゲノムに追加の変異を導入することで、この変異体よりも除草剤耐性が強く、かつ生育が良い変異体を作出できるかどうかを検証する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(24 results)