Project/Area Number |
22KJ1016
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Project/Area Number (Other) |
22J20698 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 淳之介 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | モチーフ理論 / モジュラス付きモチーフ / モチーフ / 代数的サイクル / ホモトピー不変性 / de Rham-Witt複体 / 相互層 |
Outline of Research at the Start |
Morel-Voevodskyにより創始された「A1ホモトピー論」は,代数方程式で定まる図形の研究である代数幾何学と,「柔らかい幾何学」とも称されるトポロジーを融合させた画期的な理論である.この理論はおよそ30年にわたって未解決だった「Milnor予想」など様々な数学的問題を解決したが,一方で「微分形式」や「p進エタールコホモロジー」といった従来の重要な理論との相性が悪いという難点がある.本研究はA1ホモトピー論の基礎となる部分を「モジュラス対」という拡張された図形にまで一般化することで,前述の難点を克服する新理論を開拓することを目標とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究では,主にモジュラス対に対するコホモロジー理論の一般的性質の探究を行った.これはBinda-Rulling-斎藤によるモジュラス層および相互層のコホモロジーの研究をさらに深めるものである.特に,宮﨑弘安氏との共同研究で導入したQモジュラス対の概念を用いることで,従来の理論では困難であった一般性の高いブローアップ不変性定理を得ることができた.またそれを応用し,Kelly-宮﨑によるモジュラス付きHodgeコホモロジーのブローアップ不変性の簡潔な別証明を得たほか,モジュラス付きWittベクトルコホモロジーのブローアップ不変性を証明することができた.これらのブローアップ不変性は当該コホモロジー理論をモジュラス付きモチーフ理論の枠組みで捉えるために不可欠なものであり,他の様々なコホモロジー理論にも適用できることが期待される.上述の内容は論文にまとめ,プレプリントとして発表した. また,上述のブローアップ不変性定理を踏まえ,斎藤秀司氏および宮﨑弘安氏と共同で,モジュラス対をQモジュラス対で代替する新たなモチーフ理論の構築に着手した.これにより従来のモジュラス付きモチーフの圏よりも性質が良く,またBinda-Park-Ostvaerによる対数的モチーフの圏を包含するような圏が得られることが期待される.この新たな理論の構築については,2024年度も引き続き共同研究を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2022年度に発表した宮﨑弘安氏との共著論文が査読付き国際誌に受理されたほか,ブローアップ不変性定理に関する単著論文を新たにプレプリントとして公開することができた.以上のように研究はおおむね計画通り順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,引き続き斎藤秀司氏および宮﨑弘安氏と共同で,Qモジュラス対を用いる新たなモジュラス付きモチーフの圏の構築に取り組む予定である.特に,正標数の滑らかな代数多様体に対するHodge-Wittコホモロジーが表現されるモチーフの圏の構成が一つの大きな目標となる.また並行して,Morel-Voevodskyによるモチーフ的ホモトピー論のQモジュラス対に対する類似物の構成にも着手し,モジュラス付きモチーフの枠組みで特異スキームの代数的K理論を扱えるかという重要な問題に接近していきたいと考えている.
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