Project/Area Number |
22KJ1039
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Project/Area Number (Other) |
22J21085 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黄 子彦 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 観察恐怖タスク / 腹内側前頭前野 / 逃避行動 |
Outline of Research at the Start |
自己と他者の境界は動的であり、自己を他者から区別する際には明確に存在する一方、他者に共感する際には一時的に取りはらわれる。これまで、共感・区別を個別に調べる実験系が用いられてきた一方、動的に揺らぐ自他の境界を検証可能な実験系が存在せず、その神経メカニズムについてもほとんど未知であった。そこで本研究では、申請者が立ち上げた新たな長時間の観察恐怖学習実験系を用い、深層学習・光遺伝学・神経生理学を組み合わせることで、共感と区別の二相間で、自他の境界の揺らぎを司る神経メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、観察恐怖タスクを題材に、電気ショックを受けて恐怖反応を示すデモンストレーターマウスを観察する観察マウスを対象として、共感と区別の間で、自他の境界の揺らぎを司る神経メカニズムを明らかにすることである。 2022年度は、申請者が立ち上げた長時間の観察恐怖タスクにおいて、機械学習的手法に基づき、ビデオデータから観察マウスの行動を自動的に分類することに成功した。これまでの観察恐怖タスクを用いた研究では、すくみ行動が主に注目されてきたが、本研究では10秒単位と2秒単位でそれぞれ行動の分類を行うことで、逃避行動や観察行動と言った観察恐怖タスクに特異的な行動を含む、姿勢・動き・位置情報に基づく特徴的な行動要素を抽出することができた。また、共感に重要であり、観察恐怖タスク時に活動することが知られている脳領域である腹内側前頭前野を対象に、光遺伝学的抑制を行ったところ、観察マウスの逃避行動が減少することがわかった。このため、観察マウスの腹内側前頭前野に対し、脳内内視鏡を用いたin vivoカルシウムイメージングを行った。得られたデータの解析を行った結果、自動分類で得られた10秒単位の行動状態と、すくみ行動とに対応する神経細胞がそれぞれ存在することと、これらの情報を神経細胞集団の活動からデコードすることができることが分かった。さらに、自己及び他者の状態に対する選択性をもつ、相反する活動を示す2つの神経細胞集団が存在することを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、本年度は三次元の記録に基づいた、観察マウスの行動の自動分類システムを立ち上げ及び、予備実験から得られた候補脳領域に対する光遺伝学抑制を行い、自己と他者の区別に関わる領域の特定を目標としていた。研究を進める中で、光遺伝学的抑制の結果、腹内側前頭前野は、これまで着目されてきたすくみ行動ではなく、逃避行動に関わることを示唆する結果が得られた。逃避行動はこれまでに確立した二次元の行動分類で十分評価できる見通しがたったため、研究計画を見直した。そこで、二次元の行動分類をさらに深め、また腹内側前頭前野の神経生理を明らかにすることとし、in vivoカルシウムイメージングを行った。結果として、腹内側前頭前野に自己と他者の状態の両方を表象する2つの異なる神経細胞集団を発見した。当初の計画とは異なる研究経過を辿ったが、ここまでの内容をまとめ、論文投稿に至ったため、当初の計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の査読付き論文の改稿作業を行うとともに、自己と他者の情報処理をさらに解明するため、腹内側前頭前野の神経データの更なる検討を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)