Project/Area Number |
22KJ1047
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Project/Area Number (Other) |
22J21194 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大城 勇憲 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | X線天文学 / プラズマ物理学 / Ia型超新星 |
Outline of Research at the Start |
白色矮星の核融合暴走で起こるIa型超新星は、宇宙における鉄やシリコンといった元素の生成源であることに加え、遠方宇宙において距離の指標として宇宙論で重要な役割を果たしている。しかしその親星の進化過程や、爆発時の質量や中心密度は未だ解明されておらず、Ia型超新星が標準光源たる原因も明らかとなっていない。本研究は、XRISM衛星が実現する高いエネルギー分解能を活かして残骸に存在する鉄やニッケルの元素組成比の測定を行い、その結果をIa型超新星爆発およびその残骸の流体数値計算と比較することで、Ia型超新星の起源に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
Ia型超新星爆発およびその残骸の流体数値計算を行う枠組みの構築を行なった。この枠組みを完成させる上で重要な部分は、(a) 流体方程式を解き残骸の運動学的な進化を計算する部分と、(b) 爆発の衝撃波によって加熱されたプラズマの温度や電離度の時間発展を解く部分と、(c) (b)で得られた温度、電離度をもとに熱的X線放射を予測する部分の3つに分けられる。今年度では、(b), (c)の部分の実装を完了することができた。 また、実装済みの部分を用いて、プラズマ加熱時の衝撃波速度をパラメータとするX線放射モデルを構築した。このモデルは衝撃波加熱後の温度や電離度の時間発展を自己無撞着に求めているため、観測したX線スペクトルから加熱時の衝撃波速度を直接求めることが可能である。そこで、このモデルを用いてChandra衛星による大マゼラン雲の超新星残骸N132Dの観測データの解析を行ったところ、実際に衝撃波速度を熱的X線放射から直接求めることに成功した。得られた衝撃波速度は先行研究と比較して妥当であり、構築したモデルの有用性を確認できた。ここまでの結果は天文学会で報告し、まもなく査読付き学術論文として投稿する予定である。構築したモデルは、論文が出版されたのちにこのモデルを世界中の研究者に向けて公開する予定である。今回の結果は、従来の衝撃波速度の測定方法であった固有運動測定に加えて独立かつ新たな手法を提供する重要なものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、Ia型超新星爆発およびその残骸の流体数値計算を行う枠組みのうちの重要な部分の実装を完了した。また、実装済みの部分から超新星残骸の衝撃波速度を熱的X線放射から直接測定する新たな手法を提案することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は流体方程式を解き残骸の運動学的な進化を計算する部分を実装し、数値計算の枠組みの完成を目指す。また、XRISM衛星の観測データへのアクセスがまもなく可能となるので、可能になり次第解析を行なう。
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