Project/Area Number |
22KJ1053
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Project/Area Number (Other) |
22J21356 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松宮 和生 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / ハイドロゲル / 微粒子 / 数値計算力学 / ドラッグデリバリー / ゲル / 数値流体力学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では重篤な疾患である肝硬変を、肝臓の血管の中に粒子を入れて治療する血管内局所療法に使用するトーラス状の微粒子を開発する。始めに生体適合性の高いアルギン酸を用いてエレクトロスプレー法により、ナノ粒子を封入したトーラス状微粒子を作製する。その後、作製した粒子の薬物放出試験や血液凝固試験を行う。次に肝硬変モデルマウスを用いて、トーラス状微粒子を肝臓に投与し、その治療効果を検証する。また、粒子の形態を予測する流体力学計算を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在,非アルコール性脂肪肝炎由来の肝硬変の治療は対症療法が一般的である.微粒子を血管に留置する局所療法は疾患部位で直接薬物放出を可能にするものの,血流の閉塞による副作用が重篤な問題である.トーラス状の微粒子を留置することにより,血流を遮断せずに薬物を放出することが期待される.本研究では,肝硬変の治療を目的とした血管内に薬物徐放担体を直接留置するトーラス状ハイドロゲル微粒子(TSMs)の開発を目指している. 本年度は,作製したTSMsを生体内に入れた際にどのように粒子が変形しながら流動して,塞栓するのかを明らかにするため,数値流体力学(CFD)シミュレーションを用いて,TSMsの流動状態の計算を実施した.本研究は東京大学工学系研究科の高木研究室と大阪大学基礎工学研究科の杉山研究室との共同研究である.TSMsは粘弾性固体であり,流れによる圧力と粘性応力,粒子の弾性応力によって時々刻々と粒子形状が変化することから流体と固体の支配方程式を同時に解く流体構造連成(FSI)を計算に採用した.メッシュの再生成が不要であるEulerian-EulerianのFSIを有限体積法で実装し,矩形管内にTSMsを配置してソルバーの検証を行った.今後,本ソルバーを使用して,様々な流路や条件で計算を行い,マイクロ流体デバイスを用いて実際の粒子の流動状態との比較を行う予定である. これまでの成果と今年度の成果は国内で合計4つの学会,研究会,シンポジウムで報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は(1)粒子の作製と物性評価,(2)粒子内における薬物の放出挙動の解明,(3)実験動物を用いた治療効果の検証,(4)数値流体力学を用いたTSMsの流動シミュレーションの4つから構成される.本年度は(3)の動物実験を行う予定であったが,大学の所属変更に伴う申請の問題により,(4)の粒子の流動シミュレーションに注力した.トーラス粒子の流動シミュレーションに関しては,オープンソースCFDツールキットのOpenFOAMを用いることにより,粒子の物性値を加味したシミュレーションが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験に関しては,上記の理由に伴い,より簡便な評価モデルと細胞の脱細胞化技術を用いたex vivo観察モデルを用いることにより,シミュレーション結果との整合性を確認する.また,リポソームナノキャリアを用いた新規トーラス粒子を作製し,その物性や薬物放出特性を評価する.また,2種類の細胞種を用いたin vitro慢性炎症モデルを作製し,その治療効果を評価する予定である.
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