Project/Area Number |
22KJ1062
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Project/Area Number (Other) |
22J21440 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 宏紀 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2024: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ダークマター / 強重力レンズ効果 |
Outline of Research at the Start |
近年、ファジーダークマター(FDM)が、従来の冷たいダークマターに代わるダークマターモデルとして注目されている。FDMは質量が非常に小さい仮想的なスカラー粒子で、量子力学的効果が宇宙論スケールで現れる。その結果、FDMハロー内にはソリトンコアや粒状構造といった、FDMモデルに特有な構造が存在することが分かっている。 本研究では、まずFDMハローのこれらの構造に注目し、力学的考察に基づいた理論モデルの構築を行う。次にこの理論モデルを用いて、銀河の回転曲線や小スケール物質パワースペクトルの計算を行い、実際の宇宙の観測データと照合させることで、FDMモデルの妥当性を議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Fuzzy Dark Matter (FDM) ハローのコア・ハロー質量関係に関する準解析的モデルの構築を行った。FDMハローにはソリトンコアという量子力学的効果に由来する特有な構造が存在することが分かっている。しかし、FDMハローの構造を特徴づけるコア・ハロー質量関係に関する統一的な理解はなされていない。宇宙に存在するダークマターの正体が本当にFDMであるかどうか調べるためには、1. 物理的理解をもとにした理論モデルの構築と、2. 実際の観測データと照合させることが必須である。
まず目的1.を達成するべく、コア・ハロー質量関係に関する理論モデルの構築を行った。あるハロー質量に対し、緩和時間条件によって中心部分で質量再分配が起きてコアが形成するものと仮定してコア質量を計算し、コア・ハロー質量関係を導いた。その結果、既存のシミュレーションを再現できることが分かり、またハローの質量集中度の分散がコア・ハロー質量関係の分散に一部由来していることが分かった。さらに、コアの質量分布に初めて注目し、対数正規分布に従うことも示した。上記の研究成果について論文を執筆し、arXivとPhysical Review Dに投稿した。後者に関しては現在査読中である。
次に目的2.を達成するべく、この理論モデルを用いて、銀河団中における銀河・銀河強重力レンズ効果の確率の計算を始めた。現在計算コードを書いている途中である。この計算コードを開発することで、強重力レンズ効果確率のFDM質量依存性を調べることができるため、FDMモデルの妥当性を詳しく調べることができると期待される。来年度には研究成果を報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FDMハローに関する理論モデルを完成させることができたとともに、その応用先である強重力レンズ効果確率の計算も始めることができた。当初の予定通り、来年度中には観測データとの照合ができそうであると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、理論モデルに関する論文がPhysical Review Dで出版されるように、適宜修正を加える。それと並行して、強重力レンズ効果確率のコードの開発に努め、確率のFDMの質量依存性等議論する。それらの研究成果を論文にまとめ、学会で発表する予定である。
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