Project/Area Number |
22KJ1065
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Project/Area Number (Other) |
22J21462 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 悠一郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水素 / 地球内部 / 物質科学 / 中性子回折 / 高温高圧実験 / 水素化 |
Outline of Research at the Start |
令和4年度に引き続き、高温高圧下における中性子回折実験はJ-PARC MLF PLANETで、放射光X線回折実験は、SPring-8・BL04B1並びにKEK PF-AR NE7において行う。また、水素化による体積膨張効果への不純物効果の理解を深めるためには、計算を用いたアプローチが不可欠だ。鉄水素+軽元素を含んだ系での計算実験の可能性も考える予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
水素は高圧環境下で多く鉄に溶け込み、様々な物性が変化することが知られ、特にその親鉄性などからも地球核の軽元素としても注目されている。本年度はおもに、申請者がこれまで行ってきたFe-Si-H三成分系に関してのまとめをおこなった。大容量高圧発生装置をもちいたFe-Si-H三成分系の高温高圧下中性子回折実験とX線回折実験をおこない、そこで得られた結果を相補的に考察することで、ケイ素を含んだ鉄合金の水素化挙動の理解と内核の水素量の制約に関するインプリケーションをおこなった。鉄水素化物の高温高圧条件下中性子回折は軽元素の効果を調べたものはほとんどなく、実際の地球核に含まれると予想されている他の成分が核の水素量の計算へ与える影響は未解明であった。これに関して、今年度、ケイ素が鉄の水素化与える影響に関する実験的結果と核の水素量推定への影響をまとめて、国際学会(Goldschmidt Conference @Lyon, France)・国内学会(鉱物科学会 @大阪, 日本など)で発表している。ここでの結果をまとめた原著論文は、EPSL誌に投稿、アクセプトされた。また、年度はじめ頃には岩石鉱物科学へ解説原稿を投稿、アクセプトされている。また、申請者は今年度、若手研究者交流事業を用いてチューリッヒ工科大学で研究を半年間おこなった。受入先に実験計画を提案し、渡航前には岡山大学惑星物質研究所にて含水 SiO2 高圧相の条件探索ならびに試料合成を行い、その弾性波測定をおこなった。ここで得られた知見から下部マントルの地震波速度異常や地震波散乱体の起源と考えられている MORBの中で、含水SiO2 が重要な役割を果たすことを明らかにした。この結果はまとめて今年度中の論文投稿を目指している。このように全地球的に含水が弾性特性にもたらす影響を解読していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年は継続してSPring-8 大学院生提案型課題(長期型)をおこなうことができている。また、若手研究者交流事業で得られた結果も現在まとめている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
水素誘起体積膨張は、そもそも水素化物と非水素化物の状態方程式から決定されるため、温度圧力の関数であると考えるべきであるが、その温度圧力依存性に関して実験的制約をおこなっている研究はほとんどない。そこで今年度、遷移金属水素化物、ここではFe, Niに注目してその圧縮挙動を調べる予定である。
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