Exploring the atomistic mechanism of polymorphism with atomic-resolution TEM
Project/Area Number |
22KJ1087
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Project/Area Number (Other) |
22J21760 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 雅也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 結晶化 / 結晶多形 / 構造相転移 / 透過電子顕微鏡 / 動的観察 / 時間分解能 / ナノ結晶 / 無機化合物 / 結晶成長 / 電子顕微鏡 / 動的挙動観察 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,結晶多形現象の原子レベルでの機構を原子分解能透過電子顕微鏡(TEM)直接観察により明らかにすることである.鍵となるのはカーボンナノチューブ(CNT)を担持剤とした合目的的ナノスケール反応場デザイン手法の開発である.試料に応じて適切な化学修飾を施したCNTを担持剤とすることで,結晶化過程の原子分解能その場観察を実現し,結晶化における多形選択性の起源解明を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度発見したサイズ依存構造相転移の機構解明および難溶性・不溶性化合物の多形選択プロセス観察の実現を目指して検討を行った.前者については,我々の先行研究において実現されたカーボンナノチューブ(CNT)をナノフラスコとする単分子原子分解能時間分解電子顕微鏡(SMART-EM)イメージング法による結晶化観察を応用し,ヨウ化ナトリウム(NaI)の昇華および塩化セシウム(CsCl)の結晶化をその場観察することで,結晶サイズの変化が結晶構造選択性に及ぼす影響の解明に取り組んだ.その結果,結晶成長初期および昇華後期における微小サイズ領域では,NaI,CsClどちらにおいてもバルク安定相とは異なる結晶構造が形成されることや気相からの結晶成長と昇華ではその機構に非対称性が存在していることが明らかとなった.これは結晶成長学の理解深化だけでなく,将来的なナノマテリアル設計にも繋がりうる知見である(M. Sakakibara et al., ChemRxiv, 10.26434/chemrxiv-2024-ms4t7). 続いて,ナノフラスコへの包摂が不可能であった低溶解性化合物の結晶化その場観察を実現するために,CNT表面を反応場とする新規試料調製法を開発した.これにより,セラミックスなどの材料科学的に重要な化合物についてもその多形選択機構の研究が可能となった.さらにこの手法を用いてファインセラミックス材料として広く用いられているアルミナ(Al2O3)の結晶核生成過程を可視化し,核生成以前のクラスターが複数の結晶構造および非晶質状態間で構造を揺らがせていることが明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は,結晶化過程における結晶多形現象の起源解明を目的としている.2年目にあたる本年度は,ヨウ化ナトリウム(NaI)および塩化セシウム(CsCl)をモデル化合物としてその結晶サイズ変化に伴う構造ダイナミクスを連続観察することでクラスターサイズと結晶構造との関係性を探求した.これにより,核生成直後のクラスター構造は必ずしもバルク安定相と一致しないことが明らかになり,バルクで未発見の構造までもが過渡的に形成されていることを発見した.さらに,新たな試料調製法の開発によりセラミックス材料の結晶核生成過程における構造動態を追跡することで,核生成過程における結晶構造間での確率論的な構造揺らぎの存在を見出した. 以上のように,現在までに当初の想定を超えた多くの重要な知見が得られており,計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度に観察された核生成過程における確率論的構造ダイナミクスへの理解をより深めるために,シミュレーションなど理論的な側面からの検討を進める.また,材料科学やバイオミネラリゼーションの観点から重要な物質群の結晶化および結晶多形現象の観察実現のために今年度開発されたCNT表面を利用する観察手法の応用開発を進め,結晶多形現象の精密制御実現に寄与する知見の獲得を目指す.
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)