ボランティアのジレンマにおける公平な結果の実現に関する検討
Project/Area Number |
22KJ1181
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Project/Area Number (Other) |
22J30001 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ターン 有加里ジェシカ 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ボランティアのジレンマ / 社会的ジレンマ / 協力 / 公平 |
Outline of Research at the Start |
「ボランティアのジレンマ」とは、集団内で最低でも誰か1人がコストを負担する場合に限って、集団全体が利益を得られる状況を指す。申請者が過去に実施した研究では、ボランティアのジレンマ的状況が繰り返されるとき、人々は集団成員間で公平にコストを分担することを望んでいることが明らかになった。その一方で、実際には集団成員間で公平にコストを分担することが難しいことも示された。本研究では、複数の実験や調査を通じて、なぜ公平にコストを分担することが難しいのかに関する心的メカニズムを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度より前に行った研究では、ボランティアのジレンマ(集団内で少なくとも1人がコストを負担した場合に限って集団全体が利益を得られるような社会的ジレンマ状況)において人々が何を理想としているのか(どのように負担すべきコストを集団成員間で割り振るのが望ましいと考えているのか)、また、実際にボランティアのジレンマの状況に置かれたときにその理想を実現できるのかを検討した。その結果、人々が理想としている結果と実際に実現できる結果に差が生じる可能性が示された。2022年度は、このように理想と現実が乖離するメカニズムを明らかにするため、ボランティアのジレンマにおける人々の認知や行動を検討した研究を2件実施した。 1件目の研究では、質問紙実験を通じて、ボランティアのジレンマで置かれた立場によって理想とする結果が変わる可能性を検討した。その結果、立場によらず、各集団成員の手元に残る利益が最終的に均一になることを人々は理想としていることが示された。 2件目の研究では、経済ゲーム実験を通じて、ボランティアのジレンマにおいてコーディネーションが難しいために理想と現実が乖離する可能性を検討した。実験の結果、この可能性は支持された。具体的には、実験においてコーディネーション問題が起こり得る条件と起こり得ない条件を比較した結果、後者でのみ理想と現実の乖離はなくなった。 上記の研究にかかわる成果は、Society for Personality and Social Psychologyの2023年大会などで発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、ボランティアのジレンマにおける理想と現実の乖離のメカニズムに関して、予定通り複数の可能性を検討することができた。さらにその中でコーディネーション問題の重要性を明らかにすることができた。このように今後の研究の方向性を決めるような実験結果を得られたという点を踏まえ、「おおむね順調に進展している」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、2022年度の研究によって、ボランティアのジレンマにおける理想と現実の乖離のメカニズムとしてコーディネーション問題が鍵となる可能性が明らかになった。今後はこの可能性を精緻に検討していくことで、より詳細な結論を提示することを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)