Project/Area Number |
22KJ1228
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Project/Area Number (Other) |
21J21584 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中野 美帆 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | キアゲハ / Cytochrome P450 / CYP / カルコン / 代謝 / バイオプロセス / アシタバ / アゲハチョウ科 |
Outline of Research at the Start |
植食性昆虫は食草成分を代謝して異なる成分に変換し、糞として排泄する。この代謝機能は、バイオプロセス(生体反応を利用した物質変換技術)として利用できると考えた。さらに、植食性昆虫の中でも食草成分を効率的に代謝することができるアゲハチョウ科昆虫の代謝機能は、高い物質変換効率が求められるバイオプロセスとして最適であると考えた。これまでの研究結果から、アシタバを与えたキアゲハ糞にはヒト大腸がん細胞株に特異的に生存抑制作用を示す成分が含まれることが明らかとなっている。従って、本研究は、キアゲハの代謝により食草成分がどのような成分に変換されるのかを予測するシステムを構築することを目的とした。
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Outline of Annual Research Achievements |
アゲハチョウ科昆虫において、Cytochrome P450 (CYP)は宿主植物由来成分を代謝する酵素の一種であり、代謝の中心となる器官である中腸においてCYP mRNAが高発現している。本研究では、キアゲハCYPに着目し、宿主植物由来成分の代謝について検討した。 RNA-Seq解析により、セリ科植物の種類を変えて与えたキアゲハ幼虫の中腸におけるCYP mRNAの発現を比較した結果、アシタバを与えたキアゲハにおいて特異的に発現している2種類のCYPを解明した。アシタバにはカルコン類が含まれることから、本年度は、キアゲハ幼虫にアシタバ由来カルコンを過剰に与え、中腸におけるこれらCYPの発現変化を解析したが、実施した条件では発現変化を確認することはできなかった。また、ミカン科植物を宿主とするアゲハチョウ科昆虫とキアゲハのCYPのアミノ酸配列を比較し、基質認識部位のアミノ酸残基が異なることが明らかとなった。このことから、アゲハチョウ科昆虫の種によって、CYPの基質や代謝産物が異なることが示唆された。 残念ながら、本研究では、アシタバを与えたキアゲハ幼虫糞に含まれるヒト大腸がん由来細胞株HCT116の生存を特異的に抑制する成分を同定することはできなかったが、この成分はHCT116に対して増殖制御作用を示すことが解明された。さらに、この成分以外にも、キアゲハ幼虫糞にはヒトがん細胞株の生存を抑制する成分が含まれることが解明された。また、他のアゲハチョウ科昆虫の代謝機能もバイオプロセスとして利用できる可能性があると示唆された。アゲハチョウ科昆虫のCYPと基質のドッキングシミュレーションを活用すれば、特定の化合物がCYPにより代謝されるか、また、どのような成分が生成されるかを予測することが可能になる。これにより、アゲハチョウ科昆虫のCYPがバイオプロセスとして利用されることが期待される。
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