分子進化的手法による高性能な蛍光免疫センサーQuenchbody構築法の確立
Project/Area Number |
22KJ1271
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Project/Area Number (Other) |
21J21386 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 暁人 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | バイオテクノロジー / タンパク質工学 / 抗体工学 / ケミカルバイオロジー / 分子進化 / 蛍光 / 酵母提示系 / 免疫測定 |
Outline of Research at the Start |
蛍光免疫センサーQuenchbody(Q-body)は従来の免疫測定法と比べて、迅速・簡便・高感度な検出を可能とする蛍光標識組換え抗体であり、これまで低分子からタンパク質にいたる多くの目的物質(抗原)を蛍光検出することに成功している。 本研究では酵母細胞表層提示系によるQ-body選択手法を用いて、分子進化的にQ-bodyを高機能化することにより、汎用的なQ-body構築法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 酵母提示抗体ライブラリを用いた高性能なQ-body選択 研究協力者である徳島大学村上博士より分与を受けた30種余りのヒト血清アルブミン結合ナノ抗体を材料に,これらをコイルドコイル形成ペプチドE4と融合して酵母細胞表面で提示させ,外部からFITC-TAMRA標識コイルドコイル形成ペプチドK4を付加してQ-body化し,抗原応答の高いQ-bodyを選択した。この結果得られた,抗原依存的蛍光応答の高いクローンは,大腸菌で発現させてQ-body化しても他のクローンより高い応答を示した。さらに酵母表面やビーズ上で蛍光応答が向上することが新たにわかり、これらの本研究成果をまとめて論文発表を行った(Sci. Rep.)。 2. ランダムなトリプトファン残基挿入によるQ-body応答の向上 1で選択されたナノ抗体をテンプレートとし、その超可変領域(CDR)のチロシン残基にトリプトファン残基をランダムに導入したライブラリから抗原結合能を示し、かつクエンチを示すナノ抗体を選択した。その結果、複数のトリプトファン残基を含む変異体が獲得された。さらに選択された変異体を大腸菌で発現させ、蛍光応答を見ると抗原結合を損なうことなく、より高い応答を示すことが確認され、本手法を用いてナノ抗体を材料としたQ-bodyを分子進化させることに成功した。 3. 低分子認識VHHのQ-body応答の向上 低分子認識ナノ抗体としてはコルチゾールを認識するナノ抗体を新たなモデルとし、立体構造をもとにCDR1にトリプトファン残基の変異を導入した。その結果、野生型と比べて約2倍の蛍光応答を示すことが確認され、低分子認識ナノ抗体についても分子進化が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、想定していたQ-body用抗体ライブラリの構築には至らなかったが、タンパク質および低分子を認識するナノ抗体を分子進化させることに成功しており、おおむね順調といえる。 また学会発表については国内2件、国外2件と予定通り参加することができ、論文発表については共著者として1報、第一著者として1報とこちらも予定通り出版できている。
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Strategy for Future Research Activity |
1については、さらにより安定に多量体構造を形成するペプチドをC末端に付加することで、選択されたQ-bodyのさらなる感度向上を目指す。 2,3については得られた変異体に対してさらにランダム変異を加えることでQ-bodyとしての最大応答を目指す。 以上に加えて、Kruseらが開発した酵母提示ナノ抗体ライブラリをモデルとし、Q-body用抗体ライブラリの設計を検討するとともに、scFvまたはFab断片を材料としたQ-bodyについても酵母表面に提示することで本手法の拡張を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)