Project/Area Number |
22KJ1285
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Project/Area Number (Other) |
21J22818 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
作田 祐一 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | イオン伝導 / 結晶構造 / 分子動力学 / イオン伝導体 / 六方ペロブスカイト関連酸化物 / 結晶構造解析 / 第一原理分子動力学法 / 酸化物 / リートベルト法 / 酸化物イオン伝導体 / 中性子 / 本質的な酸素欠損層 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は燃料電池等の電気化学デバイスに応用される酸化物イオン伝導体およびプロトン伝導体の材料探索である。イオンが最密充填している層から酸素が一部欠損した「本質的な酸素欠損層」を持つ物質に注目し、元素置換を行って高いイオン伝導度を示す材料を発見することを目標とする。研究手順は、試料を合成し、電気伝導度や輸率を測定する。そして、放射光および中性子回折データを測定し、結晶構造解析を行って、発見したイオン伝導体が高いイオン伝導度を持つ要因を明らかにする。そして、高いイオン伝導度を示す「本質的な酸素欠損層」を持つ物質の探索指針を新たに提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
イオン伝導体は燃料電池やセンサー、触媒に応用可能なセラミック材料である。しかし、燃料電池の電解質として実用化するには高いイオン伝導度を示す材料の発見が必要となる。そこで、六方ペロブスカイト関連酸化物であり、本質的な酸素欠損層を持つBa7Nb4MoO20系材料に注目して研究を行った。Ba7Nb4MoO20のNbとMo比を変えた組成Ba7Nb4-xMo1+xO20+x/2を合成し、電気的特性の評価をし、最も伝導度の高いBa7Nb3.8Mo1.2O20.1を発見した。Ba7Nb3.8Mo1.2O20.1は乾燥雰囲気下では306 oCで実用材料のYSZより175倍高いバルク伝導度を示す。また、湿潤雰囲気下でのバルク伝導度は326 oCで2.7 mS/cmであり、高いデュアルイオン(酸化物イオン+プロトン)伝導度を示す。Ba7Nb3.8Mo1.2O20.1について、中性子回折実験とリートベルト解析、最大エントロピー法によって中性子散乱長密度分布を計算し、本質的な酸素欠損層で格子酸素と格子間酸素による準格子間機構で酸化物イオンが拡散することが示された。(Ba7Nb3.8Mo1.2O20.1)9の第一原理分子動力学シミュレーションによって、M2O9二量体、MO4四面体、MO5 多面体 (M = Nb, Mo)が生成・消滅することで酸化物イオンが移動するメカニズムであることが分かった。また、(Ba7Nb3.8Mo1.2O20.1・0.1 H2O)9についても第一原理分子動力学シミュレーションを行い、プロトンは初期位置として本質的な酸素欠損層よりも酸素が最密充填した層に配置した時の方が平均二乗変位は大きく、酸素が最密充填した層の方がプロトンは動きやすいことが示唆された。以上の研究成果がChem. Mater.に掲載された。また、日刊工業新聞に掲載された。
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