How speciation occurs - Demonstration of assortative mating via polymorphism of pheromone receptor
Project/Area Number |
22KJ1319
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Project/Area Number (Other) |
22J14951 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 理輝 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シクリッド / フェロモン / 尿 / 鋤鼻受容体 / 種分化 |
Outline of Research at the Start |
本研究はこれまでの研究で同定してきたリガンドを用いた行動解析、さらにcladeⅠに加えてcladeⅡ型の尿のメタボローム解析を進めることでフェロモン受容体を介した選択的交配を実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
東アフリカの三大湖に生息する熱帯魚シクリッドは顕著な適応放散によって多種多様な種に分化したことで知られている。シクリッドの多くの種を分ける上で同種とだけ交配する選択的交配は重要である、定説では体色や視覚がこれに大きく寄与していると考えられてきた。本研究ではこれまで見過ごされてきた嗅覚とフェロモンに着目し、特に大きく配列の異なる2種類のアリルが存在する1型鋤鼻受容体V1R2に基づく選択的交配の可能性を検証する。 まずシクリッドにおいて嗅覚受容体のリガンド応答を評価するため、c-fosアッセイによる評価系を立ち上げた。さらにこの評価系を用いてシクリッド特異的に重複した嗅覚受容体でリガンド分化し、より多くの匂いを認識できるようになった可能性を示唆した。これらの結果は査読付き論文にて公表した。 また、V1R2受容体の2種類のアリル、cladeⅠとcladeⅡが異なるリガンドを受容する可能性を検証するため、c-fosアッセイを用いて、リガンド候補物質である複数のチロシン代謝産物に対するリガンド応答性を評価した。その結果、cladeⅠとcladeⅡとでは異なるリガンド選択性を持つことを明らかにした。 さらにシクリッドから直接的に尿を採取する手法を確立し、c-fosアッセイを用いてシクリッドの尿中にV1R2受容体のリガンドが含まれる可能性を示唆した。さらにLC-MS/MS解析によってV1R2受容体のアゴニストの一つである3-ヒドロキシフェニル酢酸が尿中に高濃度で存在することを明らかにした。これは3HPAAがV1R2受容体のリガンドであること示唆している。 今後尿中のリガンド含有量の動態や、リガンド暴露に対する行動解析、尿中ホルモン解析を実施することでV1R2受容体の昨日を明らかにしていく。また、尿中のcladeⅡ型のリガンドの含有についても検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は東アフリカの湖で見られる大きく配列の異なる2種類のV1R2受容体のアリル、cladeⅠとcladeⅡのリガンド選択性の違いを、リガンド応答性を評価する系であるc-fosアッセイを用いて検証した。V1R2受容体のリガンド候補物質であるチロシン代謝産物を中心に評価したところ、祖先型アリルのcladeⅠ型がヒドロキシ基とカルボキシ基を持つ化合物を広く受容するのに対し、派生型アリルのcladeⅡ型が2-ヒドロキシフェニル酢酸(2HPAA)に特化していることを明らかにし、cladeⅠとcladeⅡとで異なるリガンド選択性を持つことを明らかにした。 また、シクリッドから尿を採取する手法を確立し、c-fosアッセイを用いてcladeⅠ型のV1R2受容体のリガンドがcladeⅠ型のシクリッドの尿中に含まれていることを明らかにした。さらにシクリッドの尿のLC-MSMS解析を実施し、cladeⅠ型のシクリッドではアゴニストの一つである3-ヒドロキシフェニル酢酸(3HPAA)が尿中に高濃度で含まれていることも明らかにし、祖先型アリルにおいては3HPAAがリガンドであることを示唆した。さらに尿のHPLC分画を用いたc-fosアッセイからV1R2受容体が尿中の複数のリガンドを受容する可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでV1R2受容体のcladeⅠのリガンドの有力候補として3HPAAを特定してきたが、さらに性別・生殖周期・ヒエラルキー別の個体の尿を用いたc-fosアッセイ、LC-MS/MS解析を実施し、尿中のリガンド含有量の動態を明らかにしていくことでV1R2受容体とそのリガンドの機能を明らかにしていく。 また、これまで明らかにしてきたリガンド候補物質を暴露し、行動解析、及び尿中ホルモン濃度測定を行っていくことでリガンド候補物質がフェロモン様の作用をもつか検証し、V1R2受容体の機能を明らかにしていく。 また、cladeⅡ型のリガンドを探索するため、さらに広範な4HPAA誘導体を用いてリガンド選択性の検証を実施し、V1R2受容体cladeⅡ型のアゴニストを探索する。さらにcladeⅡ型で固定された種(タンガニーカ湖のOphthalmotilapia nasutaを用いる予定)から尿を採取してそれらの化合物の尿中の含有をLC-MSMS解析にて検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)