Project/Area Number |
22KJ1333
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Project/Area Number (Other) |
22J21853 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 拓実 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高分子 / メカノケミストリー / 蛍光分子プローブ / 電子スピン共鳴 / 計算化学 / エラストマー / メカノラジカル / 分子鎖切断 / 分子プローブ / 蛍光発光 / DFT計算 / 置換基効果 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、高分子鎖切断に伴い発生するメカノラジカルを検出可能なジアリールアセトニトリル (DAAN) を基本骨格とする蛍光ラジカル前駆体 (蛍光分子プローブ) の設計指針を確立し、開発した蛍光分子プローブを利用した高分子鎖切断の評価・解析を目的とする。具体的には以下の3点に注力し研究を遂行する。(1) 実験化学と計算化学を融合し蛍光分子プローブに求められる化学的構造因子を明らかにする。(2) 開発した分子プローブを用い種々の高分子の力学的刺激による分子鎖切断現象の評価を行う。(3) 高分子鎖切断の定量評価の結果をもとに定量的構造物性相関 (QSPR) を用いた応力耐性予測システムを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
高分子は曲げや圧縮、超音波などの力学的な刺激によって分子鎖が切断され、メカノラジカルと呼ばれる反応活性なラジカル種を生成し劣化する。本研究では、高分子の力学的刺激による劣化現象の詳細な調査実現にあたり、蛍光性ラジカル前駆体であるジアリールアセトニトリル(DAAN)を分子プローブに用いた新たなメカノラジカル検出手法の確立を目的に研究を行っている。 昨年度までに、20種類を超える分子プローブの設計に成功しており、実験化学と計算化学を組み合わせてメカノラジカル検出能やDAANラジカルの蛍光波長の制御に成功してきた。本年度はそれらに関する研究成果を論文としてまとめ、Polymer Chemistry誌およびRSC Mechanochemistry誌に掲載された。 これまでの研究では粉末状態の試料を分析対象としてきたが、本年度は、より実材料に近いエラストマーフィルム内部で発生するメカノラジカルの可視化にも取り組んだ。具体的には、エラストマー内部で多量のメカノラジカルが発生していることが想定されるダブルネットワーク(DN)エラストマーに着目し研究を行った。一般的な方法で合成されたDNエラストマーをDAAN誘導体の飽和溶液で膨潤させたのちに収縮させ、力学物性に影響を与えることなくエラストマー内にDAAN誘導体を添加した。DAANを添加したDNエラストマーの引張試験を行い、DNエラストマー内部では歪み硬化領域付近からネットワークの切断が生じ始めることが示唆された。本研究によって、エラストマー内部で生じる分子鎖切断を可視化するための簡便かつ汎用性の高い手法の考案に成功した。この研究成果は、RSC Mechanochemistry誌に掲載され、Outside Back coverに選ばれたほか、Hot articleに選出され英国王立化学会のブログや動画共有プラットフォームにて紹介された。
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