自閉スペクトラム症傾向と言語音声聴取能力の関連の解明:困り感・不安の予防に向けて
Project/Area Number |
22KJ1352
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Project/Area Number (Other) |
22J11083 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
辻 百合香 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 感覚特性 / 言語聴取 / 時間的統合 |
Outline of Research at the Start |
ASD者はノイズ下での言語聴取能力が低いことが明らかになっている。しかし,ノイズ下での言語聴取困難に対する支援方法については十分な研究が行われていない。 本研究では,言語聴取への影響の大きなノイズの種類を明らかにし,言語聴取困難と社会性に関するASD特性が関連するかについて検討する。また,ASD特性の一つである想像力の障害とノイズ下での言語聴取困難の関連を示し,一方で感覚過敏との関連がないことを示す。以上のように言語聴取困難の背景にどのようなASD特性があるかを示すことで,より効果的な支援法開発の一助とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ASD者のノイズ下での言語聴取を改善するより適切な支援に向け,言語聴取への影響の大きなノイズの種類及び言語聴取困難の背景にあるASD特性を明らかにするため,実験研究を行う。 ASD者は音声より非音声に注意が向きやすい特徴があることから,非音声のノイズ下では注意がノイズに向き,言語聴取が特に困難な可能性がある。当該年度においては,研究計画の通り,一般女子大学生を対象とし,ASD傾向とノイズの音声・非音声の違いが言語聴取に与える影響について調べる実験を行い,分析を行なった。結果,ノイズの種類による言語聴取成績の違いは見られなかったが,サンプルの偏りの可能性が示されたため,臨床群を対象とした実験計画を立てた。また,ASD特性の一つである想像力の障害が言語聴取に影響を与える可能性が示された。 ASD者のノイズ下での言語聴取困難は,聴覚刺激を時間的に統合する能力の低さと関連することが示されており,想像力の障害と言語聴取困難の関連が示されたことから,ASD者の時間的統合能力の低さの背景に想像力の障害がある可能性がある。そこで,想像力の障害と,視覚及び聴覚における時間的統合能力の低さとの関連を調べるため,千葉大学と共同で一般大学生を対象とした実験を行なった。本実験は,次年度も引き続き実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,ASD者のノイズ下での言語聴取を改善するより適切な支援に向け,言語聴取への影響の大きなノイズの種類及び言語聴取困難の背景にあるASD特性を明らかにすることを目的としている。ノイズの種類が言語聴取に与える影響については,一般人口集団を対象とした実験を終え,臨床群を対象とした実験を次年度に実施予定である。また,想像力の障害と言語聴取困難の背景にある時間的統合能力との関連についての実験を実施中であり,次年度中に終了予定である。以上のように,研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中である想像力の障害と時間的統合能力の背景にある言語聴取困難の関連についての実験を引き続き実施する。また,ノイズの種類が言語聴取に与える影響について,臨床群を対象とした実験を実施する。さらに,言語聴取能力と聴覚刺激の時間分解能との関連について検討する実験も実施予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)