光誘起三重項消滅による超解像蓄光イメージングへの挑戦
Project/Area Number |
22KJ1371
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Project/Area Number (Other) |
22J22887 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 35030:Organic functional materials-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
林 希久也 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 室温りん光 / 三重項励起状態 / 高解像顕微鏡 / 超解像イメージング / 光イオン化 / 蓄光 / 光電子分光 / 熱刺激電流 / 三重項励起子 |
Outline of Research at the Start |
長寿命室温りん光は、励起光停止後にも数秒間高輝度な発光が残るため、蛍光不純物に依存しない高解像イメージングへの応用が期待されている。しかし既存の技術では、室温りん光の超解像化は達成できていない。研究代表者は、励起光より長波長側の光照射により長寿命室温りん光が消去可能な現象を見出した。本研究では、この長寿命室温りん光消去の機構を用いて超解像蓄光イメージングを達成することを目的とする。具体的には長寿命室温りん光材料に励起光とドーナツ型外部光を同一焦点で照射し、ドーナツ型部位の室温りん光を消去することで蓄光の超解像化を達成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光の回折限界を超える空間分解能(超解像)で長寿命室温りん光を検出することを目的としている。研究代表者は、長寿命三重項励起子が色素の吸収波長よりも長波長域の光(刺激光)の照射により消去されることを見出している。本年度までに、この光誘起三重項消滅は、三重項励起子が刺激光によりイオン化し、その後高速で基底状態へと戻ることで生じていることを明らかにした。さらに、ドーナツ型に空間変調された刺激光を励起光と重ねて照射することで、長寿命室温りん光の空間分解能が向上することを実証し、学術論文および国内外の学会で報告した。一方で、長寿命室温りん光の超解像検出には、より高輝度な長寿命室温りん光体が必要であることが示唆された。 それゆえ、本年度は高輝度な赤色長寿命室温りん光体の開発を行った。既存の多環芳香族骨格に対し、最低三重項励起状態と高次一重項励起状態間のスピン軌道相互作用を大幅に増加させる置換基を導入することで、赤色領域において従来の材料を大幅に上回る長寿命室温りん光量子収率を有する材料を見出すことに成功した。この材料は回折限界サイズにおいてもCCDで十分検出可能なほど高輝度な赤色長寿命室温りん光を示すことを確認している。 また、高強度励起光照射下における長寿命室温りん光輝度の飽和要因を調査した。長寿命室温りん光の飽和挙動には、励起子間のエネルギー移動だけでなく高強度励起光による長寿命三重項励起子の光イオン化過程が含まれることを明らかにし、共著者として学術論文で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体イメージングで重要となる赤色領域において、高輝度な長寿命室温りん光を示す材料の開発に挑戦した。最低空軌道のエネルギー準位が低い分子を計算科学により設計し合成を行った。合成された分子の室温りん光量子収率(Φp)は低い値であったが、高強度励起光照射下における室温りん光輝度の飽和が抑制されていることが確認された。励起光に加え、強い刺激光を同時に照射した場合の室温りん光輝度の減少挙動を調査することで、輝度飽和抑制の要因は、低い最低空軌道準位により三重項励起子の光イオン化が抑えられていることに由来していることを明らかにした。 また、最低三重項励起状態と高次一重項励起状態間のスピン軌道相互作用が高い色素を量子科学計算により推定し合成した。合成された赤色長寿命室温りん光色素は、これまで報告されている赤色長寿命室温りん光材料よりも高いΦpを有し、回折限界サイズの粒子においてもCCDで十分検出可能な輝度の蓄光を示すことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、高輝度赤色長寿命室温りん光体の開発を行い、回折限界域でその赤色長寿命室温りん光を検出した。一方で、本研究の目的である超解像蓄光イメージングは達成されていない。そのため、最終年度は共焦点系の高解像顕微鏡を設計し、長寿命室温りん光の超解像検出に挑戦する。具体的には、ピエゾステージを新たに光学顕微鏡に導入し、より高解像な2次元イメージングが取得可能な顕微鏡を構築する。さらに、ナノ粒子化された高輝度長寿命室温りん光体に対し、励起光とドーナツ型に空間変調された刺激光とを回折限界域の同一焦点で照射することで、長寿命室温りん光の超解像検出を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)