関数空間およびBanach加群における保存問題の研究
Project/Area Number |
22KJ1439
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Project/Area Number (Other) |
21J21512 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
榎並 優太 新潟大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 保存問題 / 等距離写像 / Tingley問題 / 関数空間 / 極大凸集合 / Preserver problem / 値域を保存する写像 / JB*環 |
Outline of Research at the Start |
継続課題のため,記入しない.
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度投稿中であった,n階連続微分可能な境界値をもつ正則関数のなすBanach空間の(線型性を仮定しない)全射等距離写像の決定の論文は,査読付き論文誌Kokyuroku Bessatsuにacceptされた. Cabezas, Cueto-Avellaneda, Peralta氏および受入研究者のMiura氏との共同研究によって,σノルムを備えた関数空間のフレームワークを導入し,そのTingley問題を解決する研究に携わった.Tingley問題とは,ノルム空間の球面の間の全射等距離写像がノルム空間全体の全射等距離写像に延長されるかを問う問題である.このフレームワークは,連続微分可能な複素数値関数の空間,Lipschitz関数の空間,関数環を積分した関数空間など,重要な関数空間を含むものであり,それらの単位球面の幾何学的構造が明らかになった.この結果は現在投稿中である. また,連続微分可能な複素数値関数の空間に和ノルムを与えたBanach空間を対象に,Tingley問題の解決を目指し研究を行った.この研究に関しては,Tingley問題の解決まで到達しなかったが,その単位球面の極大凸集合の構造を完全に決定することができた.先行研究によって,球面の間の全射等距離写像は極大凸集合を保存することが知られており,これはTingley問題を解決するための糸口になる.また,一般に関数空間の単位球の極大凸集合はChoquet境界の点と(ある程度の)対応があるが,ここで対象にした関数空間ではChoquet境界の点で極大凸集合に対応しないものがあるという状況を示す例となっていることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度投稿中であったn階連続微分可能な境界値を持つ正則関数の空間の全射等距離写像を決定した論文は今年度acceptされた. 今年度は,共同研究において,Hausdorff distance conditionを満たさないある種の関数空間のフレームワークに対してTingley問題が肯定的であることを示す研究に取り組み,現在投稿中である.この件に関しては現在査読レポートが帰ってきており,現在その修正作業中である.このフレームワークは連続微分可能関数の空間やLipschitz関数の空間にσノルムを与えたものなどの重要な関数空間を多く含む一方で,絶対連続関数の空間やlittle Bloch空間などの空間はこのフレームワークから外れることが判明した. 今年度最も中心的に取り組んでいた連続微分可能な複素数値関数の空間に和ノルムを備えたBanach空間のTingley問題に関しては,単位球の極大凸集合の構造を完全に決定できたものの,Tingley問題の解決にはたどり着かなかった.これは,従来Tingley問題が解かれてきた関数空間と違い,極大凸集合とChoquet境界の間に差があり,その決定に時間をかけてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は連続微分可能な複素数値関数のなす関数空間に和ノルムを導入したBanach空間のTingley問題に取り組み,その単位球面の極大凸集合を決定することができた.この関数空間の単位球面の極大凸集合は,従来Tingley問題が解かれている関数空間と異なり,Choquet境界の点と対応しておらず,その決定には時間がかかってしまった.この大きな足掛かりとなる結果を頼りに連続微分可能関数のなすBanach空間のTingley問題の解決に引き続き取り組む.また,近年Tingley問題の解決より強いMazur-Ulam性の研究も活発になっており,この関数空間がMazur-Ulam性を持つことの証明にも取り組む. また,現在取り扱っている関数空間は非常に具体的な対象である.一方で,Lipschitz関数の空間など,連続微分可能関数の空間に似た構造を有する重要な関数空間も多く存在する.そのため,この関数空間を含むより抽象的な関数空間の枠組みを設定し,その枠組みに属する関数空間一般に対してTingley問題の解決およびMazur-Ulam性をもつか?といった問題に取り組む. また,局所凸空間に値をとるベクトル値関数の空間に対する差の値域を保存する写像の一般形を得ていた(Kowalski-Slodkowski型の定理).そこで,局所凸多元環に値をとる関数空間で積の値域を保存するベクトル値関数空間の間の写像の構造を決定し,Molnar型の定理を得ることを目標に取り組む.これはKowalski-Slodkowski型の定理と違い,一様収束の位相に関する写像の連続性の部分が証明できていない.この写像の構造をもう少しよく調べ,連続性の証明を行うか,または別の都合の良い位相を考える必要がある.この問題の解決のために,スペクトル保存写像に関する過去の論文を精査し,証明の糸口を模索する.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)