Project/Area Number |
22KJ1494
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Project/Area Number (Other) |
22J12518 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
向井 慶一郎 (2023) 信州大学, 総合医理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Research Fellow |
向井 慶一郎 (2022) 信州大学, 総合医理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 放線菌 / 抗生物質 / 二次代謝 / リボソーム / プロテアソーム / 胞子発芽 |
Outline of Research at the Start |
微生物の生育を抑制しない低い濃度の抗生物質は,微生物に対して好影響を及ぼすことがある。しかし,そのような抗生物質の濃度依存的作用については未解明な部分が多く,抗生物質の本来の役割は理解されていない。 これまでに代表者は,抗生物質をはじめとする多種多様な二次代謝産物の生産者である放線菌において, 低濃度の抗生物質存在下で同菌の二次代謝能や胞子発芽率が高まることを見出している。本研究では,その2つの現象を取り上げ,検証することに加え,その原理に基づいた応用研究を展開し,抗生物質の本質的理解への手がかりを掴むことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
微量の抗生物質は微生物に対して正の生理的効果を示すことがある。放線菌においては,低濃度の抗生物質存在下で生育や二次代謝能の向上が認められる。しかし,抗生物質のそのような濃度依存的作用については未解明な部分が多い。本研究では,低濃度下での抗生物質の生物学的役割を理解することを目的とし,以下の研究課題に取り組んだ。 検討課題1:放線菌Streptomyces coelicolor A3(2) 1147は低濃度の抗生物質リンコマイシン存在下で二次代謝産物を高生産する。本検討課題では,その分子メカニズムの解明に取り組んだ。その結果,低濃度のリンコマイシン存在下では,その標的であるリボソームが長時間に渡って安定化していることを突き止めた。培養後期におけるリボソームの安定化は,二次代謝産物の生合成遺伝子の活発な翻訳を可能にし,結果的に二次代謝の活性化が生じていることが明らかとなった。更に,リンコマイシン存在下でのリボソームの安定化メカニズムについて解析を進めたところ,タンパク質分解を担うプロテアソームの機能低下が,リボソームの安定維持に関与することも本研究で明らかにした。以上の研究成果は,放線菌における抗生物質応答メカニズムの理解を拡張するものであり,新たな研究の方向性を示した。 検討課題2:本検討課題では,抗生物質が放線菌の胞子発芽に与える影響を検証した。最終年度では,放線菌胞子の精製方法を確立した。また,抗生物質ストレプトマイシン存在下で,Streptomyces curacoi NBRC 12761の胞子発芽率が,抗生物質非存在下と比較して約6倍高まることが明らかとなった。以上の結果から,本研究では,抗生物質が放線菌の胞子発芽を促進することを明らかにした。
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