Rational design and efficient synthesis of non-hexagonal nanocarbons
Project/Area Number |
22KJ1526
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Project/Area Number (Other) |
21J22475 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 圭悟 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 含七員環化合物 / 多環芳香族化合物 / パラジウム触媒 / 分子ナノカーボン / π拡張反応 |
Outline of Research at the Start |
最近、六員環以外の芳香環を含む非ヘキサゴナルナノカーボンが注目を集めている。しかし、その中でも多種多様な構造をもつ含七員環ナノカーボンは、自在合成法が確立されているとは言えず、新たな効率的七員環骨格構築法の開発が望まれている。そのためには①「七員環骨格構築法の多様化」、②「五員環や中員環の効率的かつ簡便な構築法の開発」、が重要であり、実際に開発した素反応を用いた③「非ヘキサゴナルナノカーボンの創出」、が急務である。本研究では縮環π拡張反応の応用や、ベンゼン環の環拡大反応や歪んだ環状アルキンの環縮小反応などを新たに開発することで、未踏の非ヘキサゴナルナノカーボンの創出を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
非ヘキサゴナルナノカーボンは、五、七、八員環などの六員環以外のの芳香環を持つナノカーボンと定義される。これらの分子は、平面・湾曲構造、特徴的な一次元パッキング、芳香族性・反芳香族性、導電性・半導電性、磁性、光学活性など、さまざまな特異な物性を持つ。そのため、これらの分子は、構造有機化学や材料科学の分野で大きな注目を集めている。しかし、これらの分子の合成法はいまだ確立されておらず、非ヘキサゴナルナノカーボンの合成例も非常に少ない。そこで本研究では既存の六員環構築法の適用拡大や新たな反応開発を行うことで選択的かつ簡便に七員環を構築する基本的方法論の開発を行っている。本研究員はこれまでにパラジウム触媒を用いた分子内C-H/C-Brカップリング反応によって高効率で含七員環化合物が得られる反応の開発を行なってきた。本反応の有用性を広げるため、ビアリールボロン酸とベンジルブロモフェニルアセチレンからロジウム触媒による六員環形成、続くパラジウム触媒による七員環形成というワンポットの反応も開発した。さらに、五員環形成と七員環形成の反応経路と活性化エネルギーを検討するためにDFT計算を行った。その結果、七員環の形成は遷移状態における立体障害が少ないため優先的に起こり、五員環の形成はより歪んだ遷移状態を経由するためほとんど起こらないことが明らかとなった。これらの実験的・理論的知見は、非ヘキサゴナルナノカーボン分子の設計・合成に新たな知見を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り含七員環化合物の合成法の開発を行った。本反応においてはベンゼン環以外にもナフタレンやフェナントレン、ピレンといった多環芳香族化合物(PAH)が縮環した化合物であっても問題なく反応が進行するため、様々な領域を有するPAHに対して本反応を適用することができる。よって本反応により様々な骨格多様性を有する含七員環炭素材料の合成が可能になると予想される。また酸素や硫黄、窒素、リンといった導入することで物性を大きく変化させる元素を有する化合物においても、含七員環化合物の合成が適用できたため、これらを用いることで有機EL材料や機能性材料への含七員環化合物の応用が見込まれる。さらに現在芳香族化された含七員環化合物の合成を行なっており、アズレン誘導体・複数の七員環を有する化合物・ラジカル性をもつ含七員環化合物の合成も試みている。以上のように様々な骨格および元素を有する含七員環化合物の合成を滞りなく行えており、順調な進捗であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した反応を用いて種々の含七員環芳香族化合物を合成する。また他の七員環形成反応の開発も並行して行う。得られた化合物は基礎的な光学特性や耐久性などを測定したのち、有機EL素子として性能を評価し、材料科学の分野で実用的な化合物群を探索する。他にも新たな含七員環骨格構築法の開発に挑む。まずフェナントレンのK領域を効率的に環拡大する金属カルベノイド種の調査を行う。具体的にはロジウムカルベン錯体や金カルベン錯体を合成してカルベン種を二重結合部位に付加させ、その後転位反応と芳香族化により環拡大を行う手法を想定している。続いて上記反応を一段階で行う条件を検討する。開発した上記反応を応用して連続的・逐次的な未踏非ヘキサゴナルナノカーボンの精密合成を随時行う。他にも環状オリゴアセチレン化合物からの環縮小反応による、奇数環縮環化合物の効率的な合成法を開発する。歪んだ骨格をもつジベンゾシクロオクタジインに対して有機金属試薬(R-M)と遷移金属触媒を作用させて環縮小し、メタル化されたインデノ[2,1-a]インデン中間体を調整する。同中間体をホモカップリングさせ、脱水素環化させることで五・六・七員環が縮環した非ヘキサゴナルナノグラフェンが得られると考えられる。より挑戦的な合成対象として、同中間体とジベンゾシクロオクタジインモノマーの連鎖重合と続く酸化的脱水素環化による非ヘキサゴナルグラフェンナノリボンの合成も想定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)