原子層半導体モアレヘテロ接合を用いた高性能・高機能偏光発光素子
Project/Area Number |
22KJ1555
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Project/Area Number (Other) |
22J13784 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 28020:Nanostructural physics-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
欧 昊 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 原子層半導体 / モアレヘテロ接合 / ストレインエンジニアリング / 発光物性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の研究対象である原子層材料モアレヘテロ接合は、最近、新奇物性(超伝導、新奇絶縁体等)の発見が次々に報告されており、物性物理分野において大きな注目を集めて、基盤研究だけではなく将来の応用も期待されている。一方で、その発光素子の研究は未だ僅かである。そこで申請者は、この特異な光物性を機能化した素子作製に逸早く着目し、高性能・高機能なモアレヘテロ発光素子を目指している。本研究の遂行によって、世界初モアレヘテロ接合発光素子の作製だけではなく、二次元材料モアレヘテロ接合への理解も一層深くなり、この材料系の新奇な物性を開拓できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、原子層材料のモアレヘテロ接合にストレインエンジニアリングと発光素子を活用して、優れた発光効率と高い偏光度を両立した偏光発光素子の実現である。 研究路線について、最初の一歩はモアレヘテロ接合に於けるモアレパタンの観測である。研究者は圧電原子間力顕微鏡(PFM)に着目し、この技術を用いてモアレパタンを解析する。PFMの特性により、簡単、直接にモアレパタンを観測できる。しかし、本研究室が保有していたヘテロ接合の作製方法によって作った試料の表面粗さは多すぎるため、PFMでのモアレパタンの観測は難しい。これに対して、研究者はヘテロ作製方法を改進し、極平坦かつ高質量な試料作製プロトコルを開発した。結果として、研究者は成功にPFMでツイストホモ二重層WSe2及びヘテロ二重層WS2/MoS2のモアレパタンを観測した。 次の一歩はモアレパタンの歪み変調である。本研究室の先行研究により、原子層材料を高分子基板へ転写し基板の曲がりによって試料に歪みを導入させる方針を確立した。しかし、ヘテロ試料と基板の接触力は弱いため、試料のクォリティもコントロールできない。PFM解析もなかなか難しい。これに対して、研究者は基板表面に金を蒸着して、試料との接触を改善した。次、研究者は基板にヘテロを転写し、基板を曲げて歪みを印加した。加えて、曲げた基板の曲率によって歪み変調も可能である。世界初めてモアレパタンの連続変調を実現した。 モアレパタンの観測とともに、研究者は本研究室が保有している電解質発光素子構造を活用し、ヘテロ発光素子を作製した。本研究はこの素子構造の汎用性を実証し、今後のより深い研究に良い基礎を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、①モアレヘテロ接合の作製、②モアレパタンの観測、③モアレパタンの歪み変調、同時に、④モアレ励起子の電流励起発光素子の作製である。現状について、①から③の目標は完成したが、④は未だ未完成である。
進捗について、本年度は歪み制御したモアレパタン変調の観測方法を確立した。最初はモアレへテロ接合の作製である。申請者は本研究室における保有している転写方法を改進し、hBNを用いてドライ転写方法及びフリップ転写技術を結合し、圧電応答力顕微鏡で直接にモアレパタンを観測できる構造を作製成功した。次は作製したモアレへテロ接合への歪み印加である。申請者はヘテロ接合を弾性が有する高分子基板に転写した。基板の曲げにより、歪みを導入した。曲げた基板の曲率を順番に変えて圧電応答力顕微鏡でモアレパタンの変化を観測できた。
従って、本年度の目標は④以外に達成したと判断できる。最後の目標は完成できず理由は正面要素と側面要素に別かれる。正面要素は準備不足である。モアレ励起子の観測は基本的に低温でしか観測できないが、本研究室の光学系の組み立て及びキャリブレーションは予定より遅れになって本年度では観測できなかった。現在光学系の準備はほぼ完成したので、モアレ励起子の観測実験を計画している。側面要素はモアレパタン観測の難しさの予測不足である。圧電原子間力顕微鏡によるモアレパタンの観測の報告は世界中も少なくて、日本でも皆無である。本観測方法の確立するため、技術側と試料側を両立しなければならない。加えて、フリップ転写技術は本研究における不可欠である一方、研究を始める前に予想外な目標である。そのためにかなり時間を投入して本技術を開発した。従って、①から③の目標の実現は予測より時間をかかった。次年度は物性解明を中心とし、本年度に成り立った方法を活用し、モアレへテロ発光素子の作製及び制御できるために努力する。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題を推進するため、以下の方策を考えた: (1)タスクマネージメント能力向上。博士学生として、より大きな課題をしなければならない。課題を分解して多数なタスクをきちんとアレンジして順番に完成する必要もある。これに対して、タスクマネージメントはきちんとしなければならない。自己反省により、本年度は意識的にタスクマネージメントをしたが、タスクのアレンジメントとスケジュール能力はまだ不足である。翌年度に課題を遂行するため、タスクマネージメントをより一層向上させる必要がある。 (2)研究の方向感の育ち。研究の進行と共に、時間的、方向的な問題が生じることは多い。この時に、棋士のように、次一歩だけではなく、数歩を考えて把握しなければならない。自分も意識的にこんな能力を育ちたい。本年度は主に試し実験をし、実際には明確かつ直接なゴールを設けなかった。次年度からは、開発した理論や技術を基づいて、真剣に研究計画及び目標をセットし、効率的なペースを従って努力する。 (3)協力研究の推進。本研究を遂行させるために、試料の用意や理論上のサポート及び合同実験の従事など、色々な協力研究を推進必要がある。次年度は続いて共同研究者と常に討論、情報共有して有意義な新たな研究テーマを提出、遂行する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Presentation] Color-Tunable Light-Emitting Devices Based on Compositionally Graded Monolayer Transition Metal Dichalcogenide Alloys2022
Author(s)
Hao Ou Jiang Pu, Tomoyuki Yamada, Naoki Wada, Hibiki Naito, Hiroto Ogura, Takahiko Endo, Zheng Liu, Toshifumi Irisawa, Yusuke Nakanishi, Yanlin Gao, Mina Maruyama, Susumu Okada, Keisuke Shinokita, Kazunari Matsuda, Yasumitsu Miyata, Taishi Takenobu
Organizer
2022 International Conference on Solid State Devices and Materials
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