Project/Area Number |
22KJ1574
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Project/Area Number (Other) |
22J15394 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋本 慶 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 変性性脊髄症 / 筋萎縮性側索硬化症 / SOD1 / タンパク質凝集 / モデルマウス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、イヌの致死性神経疾患である変性性脊髄症(DM)の病態解明および治療法開発を目的とする。これまでに私たちは、培養細胞による実験からDMの病因タンパク質の凝集機序を明らかにしてきた。しかし、DMではげっ歯類等のモデル動物が存在しないため、治療候補薬の効果を検証することが困難である。また、DMの分子病態の解明は、終末期を経た死亡検体を中心に実施されてきたため、発症前あるいは発症早期の病理変化は不明のままである。そこで、本研究ではDMモデルマウスを世界で初めて樹立し、DM発症前から終末期にかけて一連の分子病態を解明する とともに、候補薬剤による治療効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
イヌの変性性脊髄症 (DM)の病因タンパク質であるSuperoxide dismutase-1 (SOD1)の疾患変異体E40Kは、DM罹患犬の脊髄運動神経細胞内に凝集体を形成する。この凝集体が神経細胞へ毒性を発揮すると考えられ、凝集抑制はDMの治療標的の1つとされる。 SOD1はヒトの筋萎縮性側索硬化症 (ALS)の病因タンパク質の1つでもあるが、興味深いことにE40K変異はヒトSOD1には凝集を誘導しないことが報告され、追試により確認した。 申請者は、このE40K変異による凝集性の種差がイヌおよびヒトSOD1の117番目のアミノ酸残基に依存していることを突き止めた。タンパク質結晶構造解析などのさらなる詳細な検討により、イヌSOD1におけるこの凝集はタンパク質内部の疎水性コアの脆弱性に起因することを明らかにした。以上の研究成果を原著論文にまとめ、米国学術誌Journal of Biological Chemistryに報告した。 次に、E40K変異体の凝集機序に対応した治療候補薬の効果を検証するためにDMモデルマウスの作製に着手した。ヒトSOD1プロモーターおよびヒトSOD1ゲノムを搭載した既存の発現コンストラクトを利用し、イヌSOD1のエクソンおよびヒトSOD1のイントロンを組み合わせたキメラコンストラクトを作製して培養細胞に導入したところ、イヌSOD1の発現を確認した。 以上、本研究からE40K変異によるイヌSOD1の特異的凝集機序が明らかになった。本研究成果は、DMに対する新規治療戦略の基盤となると考えられる。また、DMモデルマウスの個体化は、岐阜大学との共同研究の形で継続し、作製された個体を用いて前臨床試験が可能となることが期待される。
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