Project/Area Number |
22KJ1631
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Project/Area Number (Other) |
22J21664 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 純也 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 歩行 / 姿勢 / 感覚統合 / 仰向け姿勢 / 身体性 / 全天球動画 / 影 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,人の知覚特性を利用し,低い計算機リソース消費で高いリアリティ・没入感を持つ VR フレームワークの構築を目指す。特に歩行に注目し,人の認知特性に介入することで能動的歩行感覚や運動主体感(操作感)を創出する方法を開発する。さらに,身体運動の優先度に基づいた注意操作によって運動主体感への介入を行う。誘発した能動性や運動主体感は,心理物理学的手法や生理学的計測手法を用いて検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低計算機リソースで高いリアリティ・没入感をもつVRフレームワークの構築のために,人の認知特性に介入し,能動的歩行感や運動主体感を創出する手法を提案している。本年度はバーチャル環境での体験を観察する際の姿勢の差異について掘り下げ,バーチャル歩行体験での実身体とバーチャル身体との乖離や身体性への効果を検討した。 これまでの研究では,主に座位姿勢での使用を想定していたが,今後の計画で固有受容覚や前庭覚の制御や視覚や触覚との組み合わせを導入するにあたり,立位や座位,仰臥位(仰向けで寝た姿勢)での差異に関する知見を得る必要があった。また,仰向け姿勢における体験が効果的に行えれば,身体的制約や障害のある状況においても実施可能であり,立位や座位姿勢での利用と比較して,より広い場面で活用できる。 まず,オプティックフローと足裏振動によるバーチャル歩行体験において,立位,座位,仰向け姿勢の変化による効果を検討した。実験より,仰向け姿勢は座位姿勢と同様の歩行体験を生起させることが示された。仰向け姿勢による固有受容や前庭情報と視覚,触覚の間に矛盾があったとしても,足裏振動は効果的であり,異なる姿勢の状況下でも振動刺激が歩行感を得るための重要な要素であることが示唆された。 次に,仰向け姿勢での前庭感覚と知覚との不整合が発生する状況において,身体的には仰向けを維持しつつ,視覚的に起き上がる動作を提示することで,視覚により姿勢の知覚を立位するバーチャル身体アバターと一致させ,それがバーチャル歩行体験へ与える効果を検討した。実験の結果,視覚的な姿勢変化は,実際の身体とバーチャル身体アバターとの姿勢一致性が向上したが,アバターへの身体所有感や行為主体感,歩行感覚への効果は得られなかった。 研究成果は国内外の学会で発表し,国際誌に論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の今年度計画では,視触覚や固有受容感の信頼性制御による歩行感覚の最適化と感覚運動協調への介入による運動主体感生成であった。本年度は予定通り,各感覚の信頼性制御に取り組み,観察姿勢間の効果を実験により検証した。一方で,感覚運動協調への介入を想定した,視覚的な姿勢変化情報の提示を行い,前半テーマと後半テーマの橋渡しに該当する実験を行ったが,効果は限定的であった。そのため,次年度での計画に影響すると思われる。また,新型の振動刺激装置を開発し,これまでの座位姿勢を想定した装置から,立位や仰向け姿勢での実験を可能とした。この装置は国内外の学会でのデモ展示を予定している。 研究成果は国内外の学会で発表し,投稿中であったジャーナル論文が一件採択され,公開された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の計画は,感覚運動協調への介入による運動主体感生成が主である。当初の計画では振動による最適化を予定していたが,他の感覚提示も有力であり,利用者から得られる微細な身体の変化を捉えることも検討している。
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