Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
21-23年の採用期間中において、国際雑誌への論文1報、口頭発表8本(うち国際学会3本)を行った。 22年のSjani 誌に掲載されたロシア語の査読論文 "Дорога и контакт: Хронотоп дороги в путевых заметках А.С. Пушкина, Гр. Орбелиани, и И. Чавчавадзе" (「道と接触:プーシキン、オルベリアニ、チャヴチャヴァゼの旅行記における道の時空間」)では、ロシアの詩人プーシキンとジョージアの詩人オルベリアニ、チャヴチャヴァゼの旅行記について論じた。当時流行したペストについての描写に注目しつつ、「道」が感染症のみならず人々の移動や接触をもたらす媒介と捉えることで、「道」がジョージア文学の中で一定の機能を果たしていることを示した。 また、作家アレクサンドレ・カズベギの作品について研究を進め、初期作品『ぼくが羊飼いだった頃の話』をパストラルのキーワードをもとに論ずる研究を進めた。作中では、ジョージア人羊飼いがロシア帝国による支配の尖兵であるコサックにより、通行料を要求されるなどの妨害を受けている。それに対し羊飼いは、国の管理する道を通っていないのだから払う必要はない、と反論している。ロシア帝国が遊牧的な空間に街道を通すことで条里化し、自らの領土として管理しようとすることを暗示するこの場面は、上述の「道」の機能のうちの一つを雄弁に示すものとして捉えられるだろう。本内容は22年12月の日本ロシア文学会若手ワークショップ「ロシア・東欧の『パストラル』の諸相」にて口頭発表した。 採用最終年度にあたる23年度は、上記研究内容を論文として投稿すべく、研究を進めている。
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