Project/Area Number |
22KJ1660
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Project/Area Number (Other) |
21J20027 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 真宗 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超新星残骸 / 衝撃波 / 宇宙線 / 星間物質 / X線天文学 / 衝撃波物理 |
Outline of Research at the Start |
SNR の衝撃波加熱による温度変化や電離過程を調べる。私は Chandra 衛星の高い角度分解能を用いて、Tycho’s SNR の北東部の数箇所で熱的放射が大きく時間変動していることを発見した。SNR の熱的放射の変動の大きい領域に注目して、衝撃波通過後の熱的プラズマの電子温度の数年単位での変動を測定す る。後述のように、衝撃波通過後の電子温度の時間変化は衝撃波面で働く熱交換プロセスで異なるため、粒子間で働く熱交換プロセスを明らかにできる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ティコの超新星残骸 (SNR) は、1572年に発生した銀河系内のIa型超新星の残骸である。Tanaka et al. (2021) は、Chandra衛星で数年ごとに撮影されたX線画像データから、この残骸の南西の衝撃波面が数年スケールで減速しつつあることを発見した。これは爆発前に親星から噴き出たwindが形成したcavity wallと衝撃波が近年衝突したことを示唆し、周辺環境の描像に再考の余地を与えた。今回我々は、ティコのSNRの衝撃波のその後の運動とそれに伴うスペクトル変動を探るべく、Tanaka et al. (2021)で用いたデータに、2022--2023年にChandra衛星が観測した最新のデータを追加して解析を行った。その結果、先行研究で減速が発見された領域において、さらなる減速が明らかになった。特に減速の大きい領域では、2015年から2021年の間に、約3800 km/sから約2400 km/sまで衝撃波速度が低下し、先行研究が示唆した密度勾配を持つwallの存在を支持する結果となった。さらに、衝撃波面のスペクトルを冪函数でフィッティングしたところ、減速が見られた領域では、2003年から2021年の間に軟化している傾向が得られた。流体シミュレーションとの比較から、衝撃波の減速によってシンクロトロン放射のカットオフエネルギーが減少したと解釈することで、スペクトルの軟化を概ね説明できることがわかった。以上の内容と前年度までの内容を踏まえ、博士論文を提出した。また、上記の内容に関して、国際学会で1件、国内学会・研究会で3件発表を行った。
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