Project/Area Number |
22KJ1667
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Project/Area Number (Other) |
21J20251 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大井 拓夢 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ガウス乗法カオス / ディリクレ形式 / 時間変更過程 / Liouville Brown運動 / ガウス場 / Gauss場 / Dirichlet形式 / 安定過程 / スケール極限 / Markov性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は熱核やガウス自由場などの確率過程の性質を通して体積倍増条件を満たさない空間を解析し幾何的な性質との関係を調べることを目的とする。より具体的には、ガウス場から定まるガウス乗法カオスの基本的性質やそれらによる時間変更過程の性質などを調べる。ガウス場がガウス自由場と呼ばれる2次元の確率場の場合は、ガウス乗法カオスと対応する時間変更過程はそれぞれリュービル測度、リュービルブラウン運動と呼ばれるものであり、これは統計物理学や量子重力とのかかわりから近年重要視されている。これらを解析することで、体積倍増条件を一般には満たさないランダムな測度の解析につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、主に昨年度得たガウス乗法カオスによる時間変更過程の収束をより一般の確率過程に適用できるよう以下のように改良を行った。 1.昨年度は元の確率過程がレヴィ過程であるという強い制約があったが、証明に用いていたガウス場の定常性の代わりに正値連続加法的汎関数(PCAF)と時刻との比が時刻無限大で1に収束することを示し、この性質とスコロホッド位相の緊密性の条件とを組み合わせることでレヴィ過程であるという仮定を取り除いた。 2. 昨年度は主結果の具体例として「広義一様収束位相を考えたとき、Z^2格子上のリウヴィル単純ランダムウォークのスケール極限が2次元のリウヴィルブラウン運動である」ことをL^2レジームの半分でしか示せていなかったが、以前の証明で用いていたグリーン関数の性質の代わりにPCAFをより精密に評価することで、主結果の仮定に用いていたグリーン関数の条件を緩めることができ、L^2レジーム全体で証明することができた。 これらの結果を論文としてまとめ、現在は国際誌に投稿中である。また、本論文をプレプリントとしてarXivで公開した。更に国内外の研究集会で講演を行い、結果を周知した。また、昨年度論文にまとめたガウス場のマルコフ性とディリクレ形式の局所性の条件に関する論文がOsaka Journal of Mathematicsに掲載された。
研究期間全体を通じては、ディリクレ形式に関連したガウス場とガウス乗法カオスとそれらに対応した確率過程の収束について一定の成果を得た。
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