Project/Area Number |
22KJ1673
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Project/Area Number (Other) |
21J20624 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安岡 達仁 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 近世大名 / 土佐山内家 / 山内康豊 / 発給文書 / 大名家御殿 / 幕藩関係 / 政治構造 / 近世政治史 / 武家社会 / 隠居 / 隠居大名 / 山内忠義 |
Outline of Research at the Start |
本年度はこれまでの成果を文章化し、雑誌に投稿することを目指す。続いて、その成果から大枠の提示という点をより意識して、論点の整理と更なる深化を図りたい。前年度までの成果に基づき、特に土佐山内家・隠居大名という視点から近世初前期の大名家成立過程の解明を図るという基本姿勢にもと、考察を深めていきたい。加えて、引き続き土佐藩の事例を相対化するために他藩の史資料の収集や実地調査にも努めたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、隠居大名に注目しつつ、近世初前期の大名家成立過程の解明を図ることを目的とする。最終年度の令和5年度は、これまでの成果を文章化し、論点の整理と深化を図りつつ、これまで成果からの大枠の提示を意識した研究活動を実施した。①近世初期に「隠居」として主要な政治的位置を占めた山内康豊の発給文書の整理・分析を進めた。②土佐藩領内の御殿の分布を整理・分析を進めた。康豊発給文書等の一次史料と地誌などの史料を複合的に用いて、空間的視点を踏まえて考察した。③これまでの研究を整理する中で今後山内家から近世成立期を考える上で重要な人物を設定した。 以上の研究を通じて、近世前期の大名家、特に土佐山内家に関して以下の知見を得た。 ①年代未比定が大多数であった360点余りの文書の年代比定を行った。慶長~元和期にかけて、康豊は藩主実父の立場に由来する権威・権力を保持し、藩主忠義と両輪となって藩政を運営していた。また度々上方や江戸に参府し将軍家に御目見し、縁戚大名と交際するなど、山内家の対外関係の構築にも寄与していた。作成した文書目録は、大名家史料から再検討が進む幕藩政治史研究にも還元できる成果である。②近世前期の土佐藩領では、地域別に異なる利用契機を持つ御殿が全藩規模の藩主の移動を支えていたが、17世紀後半を境として、御殿が全藩的に経営される時代から高知城以東の御殿が維持される時代へ移り変わった。大名家御殿の存在形態は、求められる機能、その土地の歴史性や領地内の空間的特徴が影響していた。③康豊の江戸参府時に幕閣との仲介を行った池田輝政は豊臣政権時からの政治的位置によって、慶長期の西国大名と幕府の関係を仲立ちした。また関ヶ原合戦に際して江戸へ人質として赴き、江戸から土佐へ移ったのち康豊の後を継いで幡多郡中村を領した良豊が当該期期の山内家で重要な位置を占めていた。彼らの歴史的位置を追究する必要がある。
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