Project/Area Number |
22KJ1723
|
Project/Area Number (Other) |
21J23100 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中原 崚 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | リハビリテーション / 物理療法 / 膝関節 / 癒着 / 超音波 |
Outline of Research at the Start |
関節内の癒着は術後早期から形成され、関節可動域などの運動機能を制限し、その後の日常生活動作に影響を及ぼす。そのため癒着を予防、軽減するためのリハビリテーションへの期待が高まっている。しかし、術後早期に固定を要する期間の治療法は未だ確立されていない。低出力超音波パルス治療(以下、超音波照射)は組織再生を促進すると考えられ、骨折治療などで既に臨床応用されている。超音波照射は術後早期に行うリハビリテーション介入法のひとつであるが、癒着に与える影響に関する基礎的な検討は十分になされていない。本研究は超音波照射が術後早期の関節内癒着形成に与える影響と、その詳細な分子機構を解明する研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
関節内の癒着は外科的手術侵襲等により術後早期から形成され、関節可動域などの運動機能を制限し、日常生活動作に影響を与える。そのため、癒着の予防・治療はリハビリテーション領域において欠かすことのできない研究である。これまでに、関節内癒着の予防・治療リハビリテーションへと臨床応用することを最終目標として、ラット膝関節癒着モデルを作成して研究に取り組み、同モデルにおいて、低出力超音波パルス療法(以下、超音波照射)による膝関節内癒着形成の抑制効果を明らかにした。これらを基盤として、本年度は、この抑制効果が得られる詳細なメカニズムの解明に取り組んだ。具体的には、超音波照射群と疑似照射群のラットの膝関節伸展可動域と、RT-qPCR法を用いた遺伝子解析結果、およびRNAシーケンスを用いた発現変動遺伝子を比較した。その結果、膝関節伸展可動域は超音波照射群が疑似照射群に比べ有意に大きい値を示した。超音波照射群のIL6の発現は3日後に増加し、7日後に減少した。COL1A1は7日後の疑似照射群で有意に増加したが、超音波照射群では有意な差は認めなかった。TNF・TGFb1・HIF1aの発現は群間に有意な差は認めなかった。さらに、3日後および7日後にはそれぞれ113および776個の発現変動遺伝子が明らかとなった。これらのエンリッチメント解析により、関節内における炎症・線維化カスケードに影響することが示された。以上は、超音波照射が関節内における術後早期の炎症過程および線維形成に影響し、癒着軽減に有効である可能性を示唆する成果であり、これを関連する国内外の学会で発表した。なお本研究成果は国際誌に投稿し、現在査読中である。
|