Project/Area Number |
22KJ1749
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Project/Area Number (Other) |
21J23266 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅岡 由衣 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 行動嗜癖 / 窃盗症 / 性嗜好障害 / 依存症 / 衝動制御障害 / ドーパミン / 条件づけ学習 / 情動 |
Outline of Research at the Start |
依存症はこれまで物質を対象とする依存に対して考えられてきたが、近年では行動に対する依存(以下、行動嗜癖)が注目されており、インターネット嗜癖やゲーム障害など、既に深刻な社会問題となっている。高度情報化社会の到来により今後行動嗜癖はますます増加すると予想され、病態解明と治療法確立が強く望まれている。本研究では、行動嗜癖の認知・情動的特徴ならびに脳神経基盤の解明に向けて、1.現実的環境下における嗜癖行動の統合生理学的研究、2.物質に対する嗜癖と行動に対する嗜癖の比較検討、3.非侵襲的頭蓋内刺激と薬理学的操作による行動嗜癖の神経メカニズムの研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
行動嗜癖の性質を理解するためには、行動嗜癖の診断基準とも合致する行動制御障害や強迫性障害を比較検討する必要がある。しかし、先行研究においてはギャンブル障害、インターネット嗜癖などの研究は進んでいるが、特に、窃盗症や性嗜好障害といった行動制御障害に関する知見は乏しい。本研究はこれらが行動嗜癖である証拠を提示し、行動嗜癖の性質を明らかにしようとする独創的なものである。また本研究は、質問調査に限らず、心理課題と脳機能イメージング、ホルモン血中濃度測定、エピゲノム解析、VRやアイトラッキングなど、独創的で多角的な研究アプローチを組み合わせ、行動嗜癖の神経心理メカニズムを明らかにした。 まず、行動嗜癖群はコントロール群に比べて、ストレス、不安、抑うつが顕著に高く、これが行動嗜癖の特徴であることを示唆した。また、行動嗜癖群は主観的評価では高い攻撃性を示す一方で、客観的な心理課題や血中ホルモン濃度測定ではこの傾向が確認されず、行動嗜癖患者が自己の攻撃性を過大評価している可能性があることを示した。 さらに、行動嗜癖群におけるドーパミン代謝の増加やDNAメチル化の変化を明らかにし、これらの生物学的変化が神経発達障害や他の依存症の候補遺伝子と関連していることを示した。これは、行動嗜癖が他の精神疾患と共通する生物学的メカニズムを共有していることを示唆しており、将来の治療法の開発に向けた重要な手がかりを提供するものである。 また、窃盗症患者が窃盗行為に関連する手がかり刺激に対して異常な反応を示すことを、アイトラッキングやfNIRSを用いた脳機能イメージングを用いて調査した。
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