ヒト多能性幹細胞が有する分化指向性に基づいた血球分化メカニズム解明
Project/Area Number |
22KJ1761
|
Project/Area Number (Other) |
21J40090 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 瑶子 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 血球前駆細胞 / iPS細胞 / 個人差 / 血球分化 / SNP / 転写エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、複数の個人由来のヒトiPS細胞を用いて胎児期血球細胞分化を誘導し、分化の指向性に影響を与える転写・エピゲノム制御を明らかにする。また、iPS細胞ドナーの血液検査データと照合することで、遺伝的要因による血球分化指向性の個人差を調べる。分化効率と相関する分化過程の分子イベントを同定し機能的に検証することで、血球分化の新規分子制御機構が明らかになり、分化効率改善へ繋がると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数ドナー由来ヒトiPS細胞を用いて胎児期血球細胞分化を行い、分化効率の個人差から血球分化に必要な転写・エピゲノム制御機構の解明を目的とする。昨年度までの研究により、白血球数の少ないドナー由来iPS細胞からは血球前駆細胞分化の量や質が低く、iPS細胞由来血球分化においてドナー白血球数の決定要因の一部が再現できている可能性が示唆された。また、血球分化能が高いクローンと低いクローンで、血球前駆細胞の転写エピゲノム制御に違いがあることが明らかになり、この違いに寄与する制御因子を同定するため、分化過程で差のある分子を抽出し機能検証を行なった。
まず、RNA-seqの結果から分化能が高いクローンで高発現している因子に注目し、Crispr-Cas9による欠損株を作製して機能解析を行った。4つの候補因子を試したが、欠損時に血球前駆細胞の量または質に影響を及ぼすことが複数の実験バッチで再現性よく認められるものはなかった。一方、分化能の差と相関するエピゲノム修飾の一つである血球特異的エンハンサーの活性化について結合する遺伝子をChIP-seqにより調べたところ、ZEB2とMEIS1が血球前駆細胞発生前からこれらの領域に結合していることが明らかになった。さらに、ZEB2やMEIS1を欠損させたところ、エンハンサー活性が落ち、血球前駆細胞の分化が顕著に阻害されたことから、ZEB2やMEIS1によるエンハンサー活性化が血球前駆細胞の発生に必要であることが示唆された。この研究成果は本年度iScience誌に発表した。
また、血球分化能の差に寄与する遺伝的要素を調べるため、SNPと白血球数のGWAS解析を進めている。この結果は血球分化の制御機構解明にむけた新たな糸口となると期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)