Project/Area Number |
22KJ1850
|
Project/Area Number (Other) |
22J14267 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 真之 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 電解精製 / 数値シミュレーション / 対流 / 電析形態 |
Outline of Research at the Start |
銅をはじめとする非鉄金属の電解製錬において、コブ状の異常析出は電解の高速化を妨げる課題のひとつである。本研究では、数値シミュレーションによる3次電流分布解析をもとに、コブ状析出を抑制する対流制御法の提案を目指す。対流に由来する電析形状の不安定化をヒントに、コブ状析出やスジ状析出(条痕)といった特徴的な電析形状の形成機構を探究し、これまで偶発的な事象と捉えられていた異常析出現象を解明する。形成機構をもとに、マクロ平滑電析を可能にする対流性状を探索する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
電解製錬プロセスの高度化に向けて、本研究ではカソード上にみられるコブ状の異常析出物(ノジュール)を抑制する対流制御法の提案を目指す。本年度は、前年度に引き続きコブ状析出物の形成メカニズムを解明すべく研究を進めた。特に、電解浴中の不純物イオン、特にニッケルとアンチモンがノジュールの成長におよぼす影響について調べた。ノジュールを模擬した銅突起を付与した電極を用いて、不純物イオンを添加した電解浴中で電解実験を行うことで、その影響を評価した。実験の結果、これらの不純物イオンは銅電析における粗大な結晶粒の形成を促進し、やがて突起上に激しい凹凸を有する電析形態を招くことで成長促進に寄与することを見出した。電流分布シミュレーションから、不純物イオンが突起上において銅と共析した可能性は低く、また不純物源の添加に起因する浴導電率の低下は突起上で平滑電析が進行する限り電流分布にほとんど影響しないことが予測された。これらの因子はラフな電析面が形成する原因にはなり得ないと考察した。残る可能性として、不純物イオンが銅電析面に吸着する、あるいは平滑電析のための各種添加剤の作用を阻害するなど、電極表面における何らかの作用により電析組織形成に影響し、粗大粒の形成を促進したものと考察している。加えて、数値シミュレーションによる2次電流分布解析をもとに、表面のマイクロラフネスが突起上の電流分布におよぼす影響について評価した。ここから、不純物イオンの存在下で電解初期に生じたラフな電析面は、突起への過剰な電流集中ならびに凸部への局所的な電流集中を促すことで、やがて激しい凹凸状の電析形態をもたらし急速成長につながることを示した。以上の結果から、対流制御のみならず電解液組成の適正管理を通してノジュールの成長を抑制する必要があるとわかった。
|