Project/Area Number |
22KJ1873
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Project/Area Number (Other) |
22J14975 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 和樹 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ABCA1 / コレステロール / 脂質 / HDL / リポソーム / タンパク質精製 |
Outline of Research at the Start |
ABCA1は高密度リポタンパク質(HDL)の産生に必須の脂質輸送タンパク質であり、動脈硬化症の予防に大きく貢献している。ABCA1はコレステロールを含む様々な脂質を排出することが報告されているが、それらの脂質をどのように排出するかについてはほとんど解明されていない。本研究では、人工脂質粒子(リポソーム)を用いてHDL形成反応を人工的に再現し、ABCA1による脂質輸送の詳細を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ATP-binding cassette A1(ABCA1)はATPのエネルギーを利用して高密度リポタンパク質(HDL)を産生し、動脈硬化の予防に大きく貢献している。ABCA1はコレステロールを含む様々な脂質を排出することが報告されているが、それらの脂質をどのように排出するかについてはほとんど解明されていない。本研究では、人工脂質粒子(リポソーム)を用いてABCA1による脂質輸送の詳細を解明することを目的とした。 2022年度の研究では、まずヒト細胞に発現させたヒトABCA1を精製し、リポソームに再構成して脂質がABCA1のATP加水分解活性に与える影響を解析した。その結果、ABCA1のATP加水分解活性は負電荷脂質存在下でコレステロールによって上昇することが明らかとなった。一般的にABCタンパク質の基質はATP加水分解活性を誘導するため、ABCA1はコレステロールを基質として認識することが示唆された。また、植物ステロールはABCA1のATP加水分解活性をほとんど誘導しなかったことから、ABCA1によるコレステロール認識は厳密であることが示唆された。さらに、HDL形成を人工的に再現する初期段階として、リポソーム融合法を用いて精製ABCA1を巨大リポソームに組み込むことに成功した。 2023年度の研究では、ヒト細胞で最も豊富な負電荷脂質であるホスファチジルセリン(PS)に着目し、ABCA1の活性への影響を解析した。その結果、ABCA1のATP加水分解活性はPS濃度依存的に上昇し、生理的に豊富なPSを含む複数のPS種でコレステロールによるATP加水分解活性の上昇が確認された。さらに、PSをABCA1発現細胞に添加することでABCA1によるコレステロール排出量の増加が見られた。以上から、PSがABCA1によるATP加水分解活性およびコレステロール排出活性を制御することが示唆された。
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