正常な卵子の形成を保障するシナプトネマ複合体の制御機構の解明
Project/Area Number |
22KJ2026
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Project/Area Number (Other) |
22J40120 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 綾 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体 / 線虫 |
Outline of Research at the Start |
減数分裂は、精子と卵子を生み出す特殊な細胞分裂である。減数分裂の前期、相同染色体同士を安定的に繋いでおくため、シナプトネマ複合体(SC)と呼ばれるタンパク質重合体が、染色体間に重合する。SCはヒトまで保存された、減数分裂に必須のタンパク質複合体である。SCは減数分裂前期の開始と共に、迅速に染色体間に重合し、第一分裂直前には迅速に脱重合する必要がある。本研究は、このSC重合と脱重合を制御するメカニズムの解明を理解し、保存された減数分裂の分子基盤を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
不妊問題の原因の多くは、精子と卵子を生み出す減数分裂の失敗であり、その要因の多くは、減数分裂前期における染色体制御のエラーだとされる。本研究では、ヒトまで保存されたタンパク質が減数分裂前期において働くメカニズムを、モデル生物線虫の卵母細胞を用いて明らかにすることにより、哺乳類まで保存された減数分裂のメカニズムを理解することを目指す。減数分裂前期、相同染色体は、シナプトネマ複合体と呼ばれるタンパク質重合体Synaptonemal complex (SC)により架橋されることで、安定的的に対合し、相同組み換え、交叉形成を行うことができる。このためSCは減数分裂前期の染色体制御に必須の核内構造体であるが、その重合と脱重合を制御するメカニズムについては謎が多く残されている。我々は、ヒトまで保存されたAAA型ATPaseである分子シャペロンCDC-48がSCの重合に必要なことを見つけている。本研究は、モデル生物線虫を用いてCDC-48がシナプトネマ複合体制御に働く分子メカニズムを理解することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず我々は、RNAiによるcdc-48ノックダウンを行い、SC重合に不具合がでることを見つけた。興味深いことに、SC重合は遅れるが、減数分裂前期の終盤になるとSCは重合される。野生株では、SCは前期の最終段階において、染色体上で非対称に脱重合し、この脱重合パターンが、減数第一分裂における染色体分離面を誘導するが、RNAi株ではこの非対称性が崩れることがわかった。また、RNAi株では交叉形成も不安定になることが明らかにした。Auxin degron実験を試みるためのCDC-48のAIDタグ付けは、昨年度のN末、C末タグ付けの試みに加えて、N末に長いリンカーを付加したタグ付けや、遺伝子内部のdisordered regionに長いリンカーを付属したものをAIDタグ付けすることを試みたが、やはり機能的なタンパク質株を作製することができなかった。これよりAIDタグの大きさを挿入することがタンパク質機能を大きく阻害することが示唆された。加えて、CDC-48とSCタンパク質の共免疫沈降を行い、生化学的解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
substrat trap変異を導入したcdc-48を減数分裂前期に特異的に発現する変異株を作製し、この株を用いて免疫沈降と質量分析から基質を特定する生化学的解析を試みる予定である。また、RNAiによるcdc-48のノックダウンの表現型を定量的に解析をすることも進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)