Project/Area Number |
22KJ2028
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Project/Area Number (Other) |
22J40202 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology (2023) Kyoto University (2022) |
Principal Investigator |
伊東 さなえ 国立民族学博物館, グローバル地域研究国立民族学博物館拠点, 特任助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ネパール / 文化人類学 / 南アジア地域研究 / 災害人類学 / 災害 / 復興 / 記憶 / 南アジア / 地震 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、2015年にマグニチュード7.8の大地震を経験したネパールの被災地を主な調査対象とし、災害の記憶と経験が地域の文化や人々の教訓として根付いていくプロセスを参与観察やインタビュー調査を中心とするフィールド調査に基づき解明を目指すものである。特に以下の3つの観点に着目する。 ①公的な震災言説の解明②地震をめぐる人々の語りと実践の解明③震災の歴史的比較
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下の調査を行った。 【フィールド調査】夏と春にそれぞれ10日前後のフィールド調査をネパールで実施した。8月のフィールド調査では首都カトマンドゥ近郊、特に継続的に調査を実施してきているP村において、復興家屋の観察・記録に焦点を当てて調査を実施した。また、バクタプール市および近郊のB村も訪問し、復興状況についての多角的な把握を試みた。3月の調査では引き続きカトマンドゥ盆地内と2015年地震震源地であるバルパック村にて建設中の「震災記念公園」についての調査を行った。 【文献調査】国内外の災害と記憶に関する資料を購読し、研究全体の議論の精緻化を図った。また、夏のフィールド調査で入手したネパール国内で発刊された資料(文献およびパンフレット類や官報、新聞記事等)を精査した。 これらの調査の結果、①カトマンドゥ盆地周辺のネワールの集住地では文化的な景観をいかに保全しつつ家屋の復興を進めるかという点に力点が置かれていること、②バルパックでは記念公園の設置にとどまらず、カフェの名称に「epicenter cafe」とつけられるなど、ダークツーリズムの振興という形での地震の記念が起きていることがわかった。 上記の調査結果のうち、①については9月の南アジア学会全国大会で発表したほか、その内容を基にした論文を「南アジア地域研究」に投稿中である。また、②についてはSymposium: Religious and Theological Responses to Environmental Disaster in Asian Historyで発表し、同シンポジウムの内容を集成した論集に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二度の渡航を通じ満足のいく内容のデータを収集することができたため。また、学会での発表や論文の執筆等のアウトプットにも着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も夏および春に現地調査を実施する。①ドラカの調査村における復興住宅の写真撮影およびデータ収集、②復興住宅が作り出す新しい景観に関する聞き取りや参与観察、③ネワール伝統文化復興運動に関する情報収集、④都市美化についての動きについての情報収集 を行い、多角的な視点から災害復興と文化振興の動き、さらにそれらが絡み合う中で創出されつつある新たな都市景観についての考察を深める。 これらの成果については適宜、論文として投稿し、また、書籍出版に向けた準備を行う。
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